お金の話はいまだにタブー視
金融リテラシーを育む土壌がない日本の子ども

 では、日本の家庭では、親と子どもはどのくらいお金について話をしているだろうか。残念ながら、日本では昔から、子どもとお金の話をすることはタブーとされ、厭らしいとか、下品とか、悪い印象を持っている人が多い。

 子どもが親に、年収がいくらあるのかという質問したところ、話をはぐらかされたり、突然親が不機嫌になったというエピソードも聞いたことがある。さらに言うと、親の金融リテラシーのレベルが低い場合、子ども自身が家庭内で正しいお金の知識を身につけるのは難しいだろう。

 資産運用については、日本において、積極的にお金の運用を行っている家庭は未だ多くない。先の日本銀行調査統計局の調査結果で比較すると、日本における家計の資産構成は、株・債券・投資信託への投資が全体の16.6%、保険や年金準備金が26.4%で、現金や預金は52.7%だ。

 このような家庭で育った子どもたちにとって、お金は預貯金として置いておくことがスタンダード。彼らにとって資産運用は決して身近なものではなく、第一歩へのハードルが高くなってしまうのだ。

 子どもが金融リテラシーを学ぶということは、単にお金の使い方や増やし方を勉強するということではない。経済社会の一員として、働くことによって新たな価値を生み出す(お金を稼ぐ)ことや、お金を消費・運用することで経済を動かすという意識を育む、社会全体にとって必要な実学とも言える。

 子どもたちが正しい金融リテラシーを身につけ、将来適切な経済行動をとれるようになるためには、彼らの周囲の人々、特に親が正しい知識を身につけていなければならない。結局は、日本全体の金融リテラシーの底上げが必要であると言えるのではないだろうか。

(下中英恵 & 岡徳之/Livit Tokyo & 5時から作家塾(R)