ゲームセンターのゲームは、いかに巧くプレイしようが「儲かる」ことはない。でも生活保護でのパチンコも、ゲームセンターでのゲームと同様に「儲かる」ことはない。その上に時間あたりコストが高く、市民から白眼視され、ことによっては福祉事務所に注意される。「なんだか良さそう」「なんだか楽しそう」と思える要素が、何一つ見当たらない。

 私は、「生活保護だからパチンコはいけない」とは全く思っていない。しかし生活保護でのパチンコに対しては、「なんとも面白くなさそうな遊びだなあ、何が魅力なんだろう?」と感じる。

パチンコで「勝った」収入は
「宝くじ当選金」と同じ扱い

 では生活保護制度において、パチンコによる収入は、どのような扱いを受けているのだろうか? 

 生活保護制度に関する公的ルールブック「生活保護手帳」2015年版を見ると、「収入の認定」の項に、まず「就労に伴う収入」がある。制度そのものの趣旨が、そもそも「働くか? 生活保護か?」の二者択一を迫るものではなく、最初から「働くことも、生活保護も」を基本的な前提としている以上、当然だろう。「就労に伴う収入」には、「勤労収入」「農業収入」「自営収入(農業以外)」「その他不安定な就労による収入」とあるが、パチンコによる収入は、このどれにも当てはまらない。

 ついで「収入に伴う収入以外の収入」があり、年金・仕送り・財産収入(家主の家賃など)に加えて「その他の収入」が挙げられている。パチンコで勝って得た収入は、この「その他の収入」に該当する。

 判断に困る事例を中心にした公式Q&A集「生活保護手帳別冊問答集」2015年版には、臨時的収入の取り扱いに関する項がある(300ページ 問8-31「不動産の処分等による臨時的収入の取り扱い」)。ここに、

「被保護世帯に宝くじが当せんした場合のように、まったく予期しない臨時収入があった場合」

 に関する取り扱いが述べられている。たとえば「ドリームジャンボ宝くじ、前後賞あわせ7億円に当選!」という幸運が訪れたら、多くの人は、生活保護を利用しなくても、その当選金で生涯にわたって暮らしていくことが可能だろう。

「別冊問答集」に述べられている取り扱いも、そのような内容である。その7億円の当選金は、「63条返還」(不正でなく受け取りすぎた保護費の返還)対象にはならず、収入として認定される。さらに、そのお金が残っている間は生活保護は不要であろうという判断のもと、生活保護の停止・廃止が検討されるだけではなく、「稼働能力、世帯の現況に応じて(略)積極的な自立助長策を講じるよう指導」が行われることになる。

 パチンコの収入も、「まったく予期しない臨時収入」と考えられている。もしも、ある月に100万円勝てば、「宝くじ7億円当選」と同じ取り扱いとなるのだが、そもそも勝つことが予期されていないのだ。