刃物を勝手に使うことは許しません!

 丸く切ったりする複雑な動きには、5本の指を使い分けます。
ハサミも用途によっては形も様々ですが、最初に使うハサミは感覚を身につけるためのものですが、まだまだ刃物は親の監視のもとで使うもの。勝手に使うことは許しません!

 小さいうちから、便利な道具を使わせる必要はないのです。
 指先で巧みに紙テープをつくれる子は、ハサミが使えるころになると、テープ切りなども難なくできます。
 しかし、ハサミをうまく使える子が、指先で紙をうまく切ることができるとは限らないのです。両方練習させましょう。

≪競博士のひと言≫

 何かをするのを助けてくれる道具や器具(箸、ハサミ、バイオリンなど)の使い方を教えるとき、これらに興味を持たせることが第一です。

 興味がないときに使って、説教してしまうと、とたんに興味をなくします。
 興味を持ち続けるためには、前頭葉をうまく働かせるシステム――中脳皮質辺縁系(動機づけの回路)を働かせ続けなければなりません。上手に使えるようになるまで、使い方が下手でもほめて、続けさせることが大事です。
 お母さんは、何をごほうびに与えるか、絶えず考えていきましょう。

久保田カヨ子(Kayoko Kubota)
1932年、大阪生まれ。
脳科学の権威である京都大学名誉教授・久保田競氏の妻で2人の息子の母。約30年前に、日本における伝統的な母子相伝の育児法を見直しながら、自身がアメリカ在住時と日本で実践してきた出産・育児経験をもとに、夫・競氏の脳科学理論に裏づけされた、“0歳から働きかける”久保田式育児法〈クボタメソッド〉を確立。この20年で3000人以上の赤ちゃんの脳を活性化させてきた。テレビなどで「脳科学おばあちゃん」として有名。累計36万部突破のシリーズ『0歳からみるみる賢くなる55の心得』『カヨ子ばあちゃん73の言葉』『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』『カヨ子ばあちゃんのうちの子さえ賢ければいいんです。』『赤ちゃん教育──頭のいい子は歩くまでに決まる』『カヨ子ばあちゃんの子育て日めくり』などベスト&ロングセラー多数。ズバッとした物言いのなかに、温かく頼りがいのあるアドバイスが好評。
【脳研工房HP】
http://www.umanma.co.jp/

 

久保田 競(Kisou Kubota)
京都大学名誉教授、医学博士。世界で最も権威がある脳の学会「米国神経科学会」で行った研究発表は、日本人最多の100点以上にのぼり、現代日本において「脳、特に前頭前野の構造・機能」研究の権威。2011年、瑞宝中綬章受章。1932年、大阪生まれ。
朝4時半起きで仕事をする「朝活」を50年以上実践。ジョギングは30年以上、毎日続けている。著書に、『新版 赤ちゃんの脳を育む本』『2~3才からの脳を育む本』『天才脳をつくる0歳教育』『天才脳を育てる1歳教育』『天才脳を伸ばす2歳教育』『天才脳をきたえる3・4・5歳教育』(以上、大和書房)、『あなたの脳が9割変わる! 超「朝活」法』(ダイヤモンド社)などベスト&ロングセラー多数。