この8月に、航空券市場に異変が起きた。
先日、日本に移住してかなりの年数が経つ新華僑経営者たちと一緒に食事をしていて、話題が夏休みの航空券に移り、みなの嘆きを聞かされる羽目となった。東京・上海間のエアチケット代がかなり高くなり、しかもなかなか席が取れない。「留学生だった10数年前の値段になった」と表現する人までいた。
原因の一つは、中国からの観光客が多いからだと言われている。翌日、転勤の挨拶に来られた航空会社の関係者に確かめ、話が本当だと分かった。
観光庁の発表では、中国人向けの個人観光ビザの発給要件を緩和した7月に入って、発給件数が前年同期の6.6倍のペースで増えているという。さらに、記者会見に臨んだ溝畑観光庁長官は、日本を訪れる中国人観光客数をさらに増やすため、発給要件をもっと緩くしたいとの考えも示したそうだ。
どうやら日本の観光立国の意気込みは本物のようである。どんどん海外旅行に出る中国人観光客を見て、日本はようやく大きなビジネスチャンスととらえ始めたのだ。
しかし、7月30日付の「朝日新聞」を読んで目が点になった。紙面には、成田空港とその地元の中国人観光客誘致の努力を報じる記事が掲載されているが、成田空港に実証実験が始まったテレビ電話のサービスを報道する写真も載っている。写真に写った中国語の案内を読んで、私はびっくりした。