目の訓練を真剣にやると
後々効いてくる

 まずは、子どもの末端受容器としての目玉の動きを上等にすることです。

 お母さんは、よく見える目を育てる働きかけをしなくてはいけません。
 そうしないと、わが子の無限の可能性は決して生まれません。
 ありがたいことに、よく見える目の子を授かったのですから、目からの情報はなんでもこいの目を育てるのが、なによりの贈り物なのです。
目の訓練を真剣にやってください。

 お母さんも子どもと一緒になって「眼筋」を動かしてください。
 そうすると、自分にも利が返ってきます

 目への働きかけは、早ければ早いほどいい。赤ちゃんにやりすぎはありません。
 幼児になってしまうと、視覚刺激は思わぬ興奮を促し、やめようにもやめられなくなり、「ゲームばっかりして」と、3歳児に日々言わなければなりません。

 お母さんは、「この情報を脳が受け止めてくれている、それだけ脳が発達してきたのだ」と喜んであげてください。
 ゲームばかりやっている子をやめさせるには、お母さんの教えを素直に聞く賢さも、同時に育てないとなりませんよ。

≪競博士のひと言≫
 細かいものを見る(注視)ときには、両目のレンズ(水晶体)が分厚くなって瞳孔が小さくなり、網膜に像が映ります。
 このときには、「毛様帯筋(もうようたいきん)」や「瞳孔縮小筋(どうこうしゅくしょうきん)」という平滑筋(へいかつきん)が働いています。

 ものを見続けると、これらの筋肉が疲労してきて、細かいものが見えにくくなります。
 子どもが、ゲームやパソコンのディスプレーを1時間も見続けるのは、よくありません。

 見る能力が発達せず、近視になってしまいます。
15分見たら中断して、明るい場所で外の遠くの景色を1~3分見てください。
 こうすると、平滑筋が働かなくなり、水晶体が薄くなって、瞳孔が広がります。
 ぜひこれを習慣にしてください。
 注視のことを「中心視」(細かいものを見ると、視野の中心で「錐体(すいたい)細胞」が働く)とも言います。

久保田カヨ子(Kayoko Kubota)
1932年、大阪生まれ。
脳科学の権威である京都大学名誉教授・久保田競氏の妻で2人の息子の母。約30年前に、日本における伝統的な母子相伝の育児法を見直しながら、自身がアメリカ在住時と日本で実践してきた出産・育児経験をもとに、夫・競氏の脳科学理論に裏づけされた、“0歳から働きかける”久保田式育児法〈クボタメソッド〉を確立。この20年で3000人以上の赤ちゃんの脳を活性化させてきた。テレビなどで「脳科学おばあちゃん」として有名。累計36万部突破のシリーズ『0歳からみるみる賢くなる55の心得』『カヨ子ばあちゃん73の言葉』『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』『カヨ子ばあちゃんのうちの子さえ賢ければいいんです。』『赤ちゃん教育──頭のいい子は歩くまでに決まる』『カヨ子ばあちゃんの子育て日めくり』などベスト&ロングセラー多数。ズバッとした物言いのなかに、温かく頼りがいのあるアドバイスが好評。
【脳研工房HP】
http://www.umanma.co.jp/

 

久保田競(Kisou Kubota)
京都大学名誉教授、医学博士。世界で最も権威がある脳の学会「米国神経科学会」で行った研究発表は、日本人最多の100点以上にのぼり、現代日本において「脳、特に前頭前野の構造・機能」研究の権威。2011年、瑞宝中綬章受章。1932年、大阪生まれ。
朝4時半起きで仕事をする「朝活」を50年以上実践。ジョギングは30年以上、毎日続けている。著書に、『新版 赤ちゃんの脳を育む本』『2~3才からの脳を育む本』『天才脳をつくる0歳教育』『天才脳を育てる1歳教育』『天才脳を伸ばす2歳教育』『天才脳をきたえる3・4・5歳教育』(以上、大和書房)、『あなたの脳が9割変わる!超「朝活」法』(ダイヤモンド社)などベスト&ロングセラー多数。