(Kayoko Kubota)
1932年、大阪生まれ。
脳科学の権威である京都大学名誉教授・久保田競氏の妻で2人の息子の母。約30年前に、日本における伝統的な母子相伝の育児法を見直しながら、自身がアメリカ在住時と日本で実践してきた出産・育児経験をもとに、夫・競氏の脳科学理論に裏づけされた、“0歳から働きかける“久保田式育児法〈クボタメソッド〉を確立。この20年で3000人以上の赤ちゃんの脳を活性化させてきた。テレビなどで「脳科学おばあちゃん」として有名。2008年、株式会社『脳研工房』を立ち上げ、現在代表取締役。著書に、累計36万部突破のシリーズ『カヨ子ばあちゃん73の言葉』『カヨ子ばあちゃんの男の子の育て方』『カヨ子ばあちゃんのうちの子さえ賢ければいいんです。』『赤ちゃん教育──頭のいい子は歩くまでに決まる』『カヨ子ばあちゃんの子育て日めくり』『0歳からみるみる賢くなる55の心得』(以上、ダイヤモンド社)などベストセラー多数。ズバッとした物言いのなかに、温かく頼りがいのあるアドバイスが好評。全国からの講演依頼もあとをたたない。
【株式会社脳研工房HP】 http://www.umanma.
co.jp/
「脳科学おばあちゃん」久保田カヨ子氏(83)と脳科学の権威・久保田競氏(83)注目の新刊『1歳からみるみる頭がよくなる51の方法』。
ソニー創業者・井深大氏も絶賛した『赤ちゃん教育――頭のいい子は歩くまでに決まる』の続篇として、ついにリリースされた「1歳から感性豊かな脳を育む五感トレーニング」を、「脳科学おばあちゃん」にこっそり紹介してもらおう。
緑を守るための考えを
遊びを通じて伝える
あるとき、子どもたちが、外で野球をして遊んでいました。
幼稚園児3人、小学3年生ひとりというような仲間でしょうか。
その中で思いがけずにホームランが出ると、さあ大変!
わが家の雑草だらけのジャングルの中に落ちたボールは、子どもにはなかなか見つけられません。
そのボールが行方不明になってしまうと、もうボールの補給ができません。
そこで年長のお兄ちゃんに教えられて、チラシの紙をグチャグチャと丸めて、まわりをセロハンテープで押さえたり、紙粘土から小さな紙ボールをつくったりして、遊びました。
紙ボールが見つからないと補給するので、私が草むらから紙ボールを探しだして渡さない限りボールの数が増えます。
雨が降れば、あちこちにチラシの花が咲きました。
そこで、私は、「では、紙ボールのつくり方を教えてあげる」と後日、子どもたちにつくり方を教えながら、紙の性質やインクの有害性、土の中での紙の腐敗率などを説明して、緑を守るための私の考えも伝えました。
その話を聞いて、おませな幼稚園児は、「それで、おばちゃんのとこ、草だらけなのね」と。
私が「雑草も緑よ」と言ったことに対する返答でした。
(Kisou Kubota)1932年生まれ。医学博士、京都大学名誉教授。世界で最も権威がある脳の学会「米国神経科学会」で行った研究発表は日本人最多の100点以上にのぼり、現代日本において「脳、特に前頭前野の構造・機能」研究の権威。2011年、瑞宝中綬章受章。『ランニングと脳』『天才脳をつくる0歳教育』『あなたの脳が9割変わる!超「朝活」法』など著書多数。
こうして、チャンスを逃さず、子どもの興味のある話を、手作業をしながら伝えられたので、私の話も有意義なものとなりました。
幼児の脳はすばらしく、素直にどんどん頭に入れることができるのです。
大人は謙虚に子どもに対処しなければなりません。
ましてや、わが子にすぐれた脳の持ち主になってほしい、望みが何であれ、人よりすぐれた子にという願いがあるなら、自分が今までにできたことやその過程での思い、貴重な体験を、わが子に一日でも早く教え、伝えることが大切です。