【③ り災証明書編】

◆避難生活が少し落ち着いたら「り災証明書」の申請手続きをする

 自宅や事業所がどの程度の被害に遭ったのかを段階的に表す「り災証明書」は、国の支援制度や住宅ローンの延滞取り消し、民間保険の請求手続きなど様々な場面で必要となる大事な書類です。避難生活が少し落ち着いてからでいいので、必ず申請して入手するもの、と覚えておきましょう。

◆り災証明書の申請の流れ

出所:内閣府「防災情報のページ」より  拡大画像表示

 申請窓口は市区町村で、研修を受けた調査員(市区町村の職員等)が原則として2人以上のグループで、被災された住宅の傾斜、屋根、壁等の損傷状況を国が定めた標準的な方法で調査します。

 調査方法や基準などは、内閣府のHP、「防災情報のページ」に詳細があります。 http://www.bousai.go.jp/taisaku/unyou.html

◆市街地以外の土地に住む高齢者は、申請に遠慮する傾向があるので家族は注意が必要

 5年前の東日本大震災の時、茨城県に住む親戚の自宅が地震により大きく傾くという被害に遭ったことから、調査基準が気になり、前述の内閣府のページにある「災害に係る住家の被害認定基準」に目を通したことがあります。

 専門的なのですべてを理解することはできませんでしたが、一読すると国の統一基準らしく、詳細にきちんと決められているもので安心しました。

 ところが、被災した親戚は申請に積極的ではない。理由を尋ねてみると「近所の人がまだ申請していないのに、うちだけ動くわけにはいかない」、「役場の人がうちの被害を見ただけでちゃんと判断できるのか」と言います。

 市街地以外の土地に住む高齢者に多い反応なのかもしれません。ここからは、被災された高齢者のご家族へのメッセージです。週末やGWを利用して、家族のもとに帰省するなら、落ち着いてから両親が「り災証明書」を申請できる手はずを整えてあげてください。

 たとえば、お住まいの自治体から窓口となる係の名前を調べておく、平日休みを取って一緒に申請手続きをするなど、高齢者が動くための「きっかけ」を作ってあげてください。

 最初の地震からわずか1週間しか経っていない今は、市役所、役場も大混乱で適切な対応は難しいと思われます。その場合は、被災した家屋の写真を撮っておくこと。「とりあえず、住めるように」と片付けたり、自分で修復してしまうと、被害に遭ったという証拠が消えてしまいます。このことも、高齢の両親にしっかりと伝えておきたいことです。

 熊本地震の被災地に1日でも早く落ち着いた日々が戻ることを心から願っています。