日奈久断層帯の南側半分は要注意
川内原発に危険が及ぶ可能性は

 14日に前震が起きた日奈久断層帯の、少し南に下ったところでは川内原発が稼動している。日奈久断層帯の下部では、これから大地震が起こるのか、そして川内原発に影響が及ぶことはあるのか。変動地形学を専門とする、東洋大学の渡辺満久教授は、こう解説する。

「連続した断層帯の一部分が動くと、その隣にも“ひずみ”が集中します。今回、日奈久断層帯では北側が割れましたが、『南側も動く』と考えるのは、ごく当然といえるでしょう。断層の連続性から考慮しても、熊本地震が直接影響を及ぼすとすれば、四国方面よりも日奈久の南側のほうが可能性が高いといえます。

 実際に16日以降、日奈久の南の方で地震がいくつか起きています。日奈久断層帯は、宇城市から八代市にかかる大きな活断層帯ですが、八代市の日奈久あたりで海底に潜っていきます。もし、八代や水俣のほうの海底にある活断層が動けば、すぐ南の川内原発方面の海底活断層への影響も懸念されるでしょう。

 しかし、地震に『絶対』はありません。日奈久断層帯の南側で起きている小さな地震が、本震に結びつくかどうか、それがいつ起こるのかは誰にも分かりません。活断層がある地域であれば、どこでも十分に警戒する必要があります」

 地震が「いつ起きるか」の予測は難しい。しかし渡辺教授によると、4月14日の前震に続く、16日の布田川断層帯で起きた本震は、ある程度の予測はできていたようだ。

「そもそも布田川断層帯と、日奈久断層帯は連続しており、合わせて『布田川・日奈久断層帯』と呼ばれています。しかし、国の地震調査研究推進本部は、2013年の調査から、それを2つに分けてしまった。そのため今回、最初に日奈久でM6.5の地震が起きた際に『本震』と発表してしまったのです。

 活断層の研究者たちの間では、布田川・日奈久断層の『本震』にしては小さいと囁かれ、もう少し大きな地震を警戒していました。国も、日奈久断層帯と布田川断層帯と別々の断層として捉えるのでなく、両者を1つの断層帯として捉えていれば、日奈久の段階で『本震』と発表することはなかったかもしれません。

 そうすれば日奈久の地震の直後、持ちこたえた自宅に帰ろうとする被災者の方も減り、被害をもっと少なく抑えることができたかもしれないのです」

 確かに、日奈久の時点で「まだこれは本震ではない」と発表されていれば、被災者の方々も警戒し、もうしばらく避難所に踏みとどまっていたかもしれない。地震の予測はとてもデリケートで、難しいものなのだ。