コンビニで、SuicaやEdyなどの電子マネーを使用したことのある人は多いだろう。レジが混んでいる際にも財布から小銭を出す必要がなく、非常に便利だ。

 このように電子マネーが広がりつつある一方で、なかなか利用数が上がらないのがコンビニでのクレジット決済。そうしたなか、クレジットカード「ファミマTカード」を発行するファミマクレジット(東京都豊島区)は、コンビニ店頭でのクレジット決済が伸び悩んでいる現状を改善するためとして、利用者の動向・考えを調査したアンケートを発表した(全国の20~30代の男女800人が対象)。

 コンビニでクレジットカードを利用する際は、基本的にサインが不要であるため(高額の場合を除く)、支払いにそれほど手間はかからないはず。それにもかかわらず、なぜ利用数は増加しないのであろうか。

電子マネーは「少額の買い物」
クレジットカードは「高額の買い物」

 まず、同調査でコンビニでのクレジットカード支払いの頻度について聞いたところ、定期的に使っていると答えた人は全体の18.2%。毎回使っている人については6.9%と少数だった。

 次にコンビニでクレジットカードを利用することにためらいがあるかを聞いたところ、66.5%が「ためらいがある」と回答。その理由は、「少額の支払いをクレジットカードでするのが恥ずかしいから」(64.8%)がトップで、続いて「サインや暗証番号入力が面倒だから」(31.2%)、「わざわざカードを出すのが面倒だから」(19.2%)という結果になった。実際の動作的な問題よりも、「少額の支払いでクレジットカードを出すのは大げさでは?」という心理的な問題が大きいようだ。

 確かに電子マネーの使用が広まっているところから考えると、「カードを取り出す」ことに対しては、現代の利用者はあまり手間に感じていないように思える。

 また、コンビニでクレジットカードを使わないと回答した人にその理由を複数回答で聞いたところ、トップは同様に「少額の支払いをクレジットカードでするのが恥ずかしいから」(46.9%)だったが、「電子マネーを使うから」と答えた人も20.6%に上った。カードはカードでも「クレジットカード」は高額の買い物、「電子マネー」は少額の買い物、と使い分ける心理が定着しつつあるようだ。

「ポイントを貯めたい」からクレジットカード
賢いビジネスパーソンは恥ずかしがらない?

 それでは、コンビニでクレジットカードを使用する人の理由は何だろう。予想がつく人も多いだろうが、「小銭を出すことが面倒だから」(56.6%)を抑えて1位となったのは「ポイントを貯めたいから」(82.1%)。

 数パーセントの還元率ではあるが、ギフト券や景品と交換できるポイント。賢いビジネスパーソンならば、見逃せない。クレジットカードをより有効に使おうと考えている人ほど、コンビニでの利用率も高いといえるだろう。

 最近では、クレジットカードと一体化した電子マネーも広がりつつある。電子マネーのチャージをクレジットカードから行い、クレジットカードのポイントを電子マネーに交換することで、さらに「お得度」を高めようという人もいる。

 さて、コンビニでクレジットカードを使う人を見たときのあなたの感想はどれだろう。「少額なのにカードって、手持ちがないのかな」、それとも「賢くポイントを貯めようとしているな」、はたまた「こまめにポイントを貯めて、ご苦労様(笑)」? 

 クレジットカード会社としては、「デキるビジネスパーソンはコンビニでもクレジットカードを使う」という認知を広めたいところだろうが、果たしてその思惑は多くのビジネスパーソンに届くのだろうか。

(プレスラボ 小川たまか)