【テクニック2】「短い期間」
「ギャップ」は大きければ大きいほどいいが、「期間」は逆に短ければ短いほどいい

 これら2つのテクニックを使った好例が通称『ビリギャル』のタイトルだ。

 ベストセラー書籍から映画化したタイトルは、『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』と長い。
 しかし、このタイトルは「情報・エピソード訴求」の2つのテクニック、「ギャップ」「期間」を巧みに取り入れている。

●天と地のギャップ
「天(After)」:偏差値40アップし、慶應大学へ現役合格
 ↕ ←(このギャップは、大きければ大きいほどいい)
「地(Before)」:学年ビリ

●短い期間
 1年間 ←(期間は、短ければ短いほどいい)

「短い期間」で大きな「天と地のギャップ」を解決したとなると、人の興味が湧いて、中身を見たくなる。それこそが、キャッチコピーの大きな役割である。

『ビリギャル』の書籍タイトルコピーは長いが、中身の濃い1年間の努力と成果を表現したことを考えれば短いタイトルとも言える。

 この真新しく見えるようなこのタイトル、実は使い古されたフレーズをリファインしただけである。

 例えば、ドラマ化もされた人気マンガの『ドラゴン桜』では、

「バカとブスこそ東大へ行け」

 というフレーズが使われ、注目されたことがある。お気付きだろうか?『ビリギャル』は、同じテクニックを使っていることを。

「バカとブス→学年ビリのギャル」、「東大→慶應大学」へすり替わっただけ。単に、『ビルギャル』は、現代風にアレンジしただけなのだ。
 なんだ、マネではないか?

いや、これでいい。これこそがコピーの工夫だ。

 あなたも法則を、どんどん“自分ゴト化”してマネてしまおう。

 2つのテクニックを使ったコピー(タイトル)は、こんな成果を残している。

●原作発行部数:100万部突破
●映画の観客動員:公開45日200万人
●興行収入:28.3億円
(出典:2015映画「ビリギャル」製作委員会HP)

 日本中をブームにした『ビリギャル』の長いタイトルは、古典的かつ巧みな2つのテクニック(天と地のギャップ・短い期間)に支えられていたのだ。