ここ数年、若い女性を中心に「パワースポット」が大変な人気です。そこに行くとパワーがもらえる場所。そんな場所に人が集う時代になっています。
以前であれば、“なんだか怪しい場所”と捉えられていたパワースポットも今では、“最先端の流行発信基地”であり、一部の人にとっては、そこへ行くこと自体が“ファッション”にさえなり始めています。
パワースポットが、なぜ今流行になっているのか。パワースポットに人が集まる背景には何があるのか。そして、パワースポットから見えてくるマーケティングのヒントとは何かについて、今回はお伝えしていきます。
パワースポット人気の発端は
ある大物芸能人の海外旅行?
パワースポット人気を決定づけ、しかも、大衆に広げた大きなきっかけは、2010年お正月明けてすぐに発覚したある大物芸能人カップルの海外旅行でした。
それは、ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんと歌手・安室奈美恵さんの「セドナ旅行」です。2人の意外(?)な組み合わせと、日本ではまだあまり知られていなかったアメリカのアリゾナ州にある「セドナ」という場所が、非常に注目を集めました。
2人の関係は別として、なぜ「セドナ」に注目が集まったのでしょうか。それは、セドナが世界的に有名な“パワースポット”であり、ここで日ごろの疲れを癒してパワーをもらいたい人達が世界中からたくさん集まっている場所だったからなのです。特に、セレブ層や有名人が多数訪れているらしいという話がさまざまなメディアにて紹介され、「パワースポット」が一躍脚光を浴びることとなりました。
「パワースポット」とは何か
もともと「パワースポット」という言葉を作ったのは、スプーン曲げで有名になった清田益章氏だと言われています。1990年代始めに、「大地のエネルギーを取り入れる場所」としてパワースポットという表現を使っていました。
その後、1990年代後半にかけて、特別な「パワー」を得られる場所を「パワースポット」と一般的にも呼ばれるようになります。
そして2000年代に入ると、スピリチュアルな世界が、ある意味“普通のこと”として扱われ始めました。それまでは“オカルト的な扱い”だったメディアも、「神秘的な現象は世の中にはたくさんありそうだし、若年層が興味を持っていることから新しい流行になるかもしれない」として取り上げ始めました。
こうしたことからパワースポットが広く認知されるようになっていきました。
最近では地方の景勝地や観光地までもパワースポットと呼ばれるようになり、そこに行くと元気がでる、癒される、ほっとする、安心できるところはすべてパワースポットと呼ばれるようになっています。
また、「ユニクロやディズニーランドこそがパワースポットの代表的存在」と言う人さえも現れ始めています。
シンプルに定義すれば、パワースポットとは、「そこに行くとエネルギーを感じられて元気がでる場所、パワーを注入される場所」と言うことができるでしょう。