担当者によれば、2013年の設立に先立ち、2011年頃に東京23区内にある寺院の墓地の販売状況を調査したところ、区画が売れ残っている寺院は少なくないことがわかったという。

「永代供養墓(寺院が管理や供養を行う墓)や納骨堂(遺骨を安置する施設)の中を見てみたら、ほとんど空っぽというケースもありました。現在も、数百基もの区画がありながら、墓誌(ぼし:埋葬されている人の戒名や名前、没年などを記した石版)が4、5名分しかない墓地が見られます」

 東京の寺院を対象としたアンケート調査でも、「使用されていない区画が多い」という割合は15.1%と6分の1近くに及んでいる。(※参照:「大都市における寺院墓地空間の変容に関する研究」尾崎友紀、平山洋介/2008年)

「墓余り」はどんな墓地で起きているのか。

墓購入の勧誘電話に隠された
「名ばかり寺院墓地」の不人気

 墓地は大きく分けて、自治体が運営する公営墓地と、民間・寺院墓地とがある。供給過剰が見られるのは、民間・寺院墓地の中でも、とくに「事業型墓地」と言われるタイプだ。

 事業型墓地を経営するのは宗教法人、つまり寺院。しかし檀家のために境内に設けられた寺院墓地と違い、宗派は問わないことが多い。厳しい資格、条件がない、お墓のデザインが自由に選べるといったメリットがある。都市部の人口爆発にともない、高度経済成長期以降、続々と造成されてきた。

「とくに郊外の大型霊園の造成はバブル期にかけ、一気に進みました。何十人もの見学客を乗せたバスがよく東京多摩地区や千葉を走っていたものです」(同NPO法人担当者)