増える「老老介護」
自分のペットは自分で守る

 高齢化社会の進行を背景に、高齢者が高齢のペットを介護する「老老介護」も増えている。

 ペットの飼育は、老化予防に役立つし、子どもが巣立った後の親世帯にとってこの上ない癒しとなるが、心配なのは、飼い主が病気や老いで亡くなってしまった場合だ。

「犬を飼っていたけれど、数年前に看取った。今70代なので、最期まで責任を持って飼い続ける自信がないから、もう犬は飼えない」

 うちの近所の公園には、そんな動物好きの先輩たちが朝夕、ペット用のおやつを手に、よその愛犬を可愛がりにやってくる。

 これも、生き物を飼う上での、責任ある付き合い方だと思う。

 今年、3年連続で犬の殺処分ゼロを実現させた「神奈川県動物保護センター」も、65歳以上の人には、犬猫を譲渡していない(木原洋美『「犬の殺処分ゼロ」を神奈川県が3年連続達成できた理由』参照)。

最後まで責任を持って飼う
「準備と覚悟」が必要

 一方で、動物好き同士、互いに協力し合って、ペットを安心して飼える仕組みづくりを推進する『日本動物福祉互助会』(静岡市)のような団体もある。

 ここは会員制で、万一ペットが飼えなくなった場合に引き取り、終生飼育してくれるほか、里親探しもしてくれる。

「保健所等の譲渡会では、子犬・子猫から引き取り先が見つかり、高齢や、まして認知症の犬・猫の引き取り先はなかなか見つかりません。当方が引き受けるのは、そんな高齢のペットたちです。会費をいただき、敷居をあえて高くしています。動物を飼う責任は決して軽くない。行政を頼れば、税金が使われることを忘れてはいけない。基本は自助。飼い主さんの“自分のペットは自分で守る”という『自助』の気持ちが大切だと思います」

愛猫にも、安らぎの老後を!(写真提供:日本動物福祉互助会)

 白井昭夫理事長は、安易に飼い、安易に手放す飼い主に警鐘を鳴らすように言い切った。

 愛しいペットたちも必ず年を取るし、そのスピードは人間よりも確実に速い。

 最期まで責任を持って飼うためには、準備と覚悟が必要だ。