資本主義の総本山たる
米英で起きている変化

――過去の日本共産党には、「大企業を敵視してきた」という印象があります。ところが、近年では「大企業とは共存する」という方針を掲げています。共存するとはどういう意味ですか。

 まず私たちは、決して大企業を敵視していませんし、ましてや潰れてもよいと考えているのではありません。そうではない。

 端的に言えば、こうなります。「今日の経済社会の中で大企業が果たしている役割は非常に大きい。ですから、大企業には持っている力に見合うだけの社会的な責任を果たしてほしい」ということなのです。

――しかし、大企業は、いきなり日本共産党から「利益剰余金を吐き出せ」と迫られたら、「経営を知らんくせに何を言うか」と反発するのでは。

 いやいや。私たちは、「大企業にたまっている内部留保(利益剰余金)を皆に配れ」と言っているのではありません。たまっているのであれば、そのうちの数パーセントでも社会のために還元すればよいのではないか、ということです。

 例えば、今日のような「ルールなき資本主義」の中で、大企業がもうけることばかりを重視すれば、競争が激しくなり、最終的には皆が疲弊してしまいます。その結果、経済全体が立ち行かなくなっては、元も子もありません。

 そうではなく、もう少し働く人の立場になって考える必要があると思うのです。どういうことかと言うと、現在はため込んでいるだけで“死んだお金”と化している内部留保を活用することで、“生きたお金”に変えるのです。

 仮に、大企業が内部留保の数パーセントを出すような仕組みがあれば、正規雇用者を増やせますし、長時間労働も減らせます。“過労死”ということが問題になっているような国は世界でも日本だけですよ。長い目で見れば、循環するような仕組みがあれば、企業のためにもなります。また、社会の発展にも貢献します。そうした民主的なルール作りは、政治の役割になります。

――では、日本でそのようなルール作りが必要になった背景には、どのような問題があったと考えていますか。

 世界的な流れで言えば、やはり1980年代に進んだ「新自由主義的な考え方」に原因があると思います。それまでは、政府が公共事業などで需要を創出して経済を活性化させるという「ケインズ主義」でしたが、例えば英国の「サッチャリズム」や、米国の「レーガノミクス」で大幅な規制緩和を加速させたことによって、先進国内でも格差や貧困の問題が顕在化するようになりました。