体内で不要になった水分と老廃物が、尿になって排泄されます。尿は、ウエストの後ろあたりにある左右一対の腎臓でつくられ、腎臓から左右おのおのの尿管を通って膀胱にためられます。そして、ある一定量になると尿意を感じて排尿します。
この一連の尿路のどこかに石ができるのが「尿路結石」です。結石のできる場所によって「腎結石」「尿管結石」「膀胱結石」と違う名称で呼ばれます。石は、尿中のシュウ酸カルシウム、リン酸カルシウムなどが固まってできたものです。原因は不明ですが、尿路の形状や尿路感染などが発症にかかわっている場合があります。尿路結石は男性に多い病気で、それは、男性が女性より尿路が長いためだと考えられています。症状としては、腰や脇腹、下腹部に痛みを感じます。
石の大きさや形状、できた場所によって症状が違い、鈍い痛みのこともあれば、冷や汗をかくような激しい痛みを感じることもあります。
また、血尿が出て気づくことも。ただ、見てすぐわかる血尿ではなく、自分ではまったく気づかずに健康診断などの尿検査で血尿を指摘されて、尿路結石の存在を知ることもあるかもしれません。
尿路結石は、大きさやできた場所、症状によって治療法が異なります。「ビールをいっぱい飲んだり、水分をとったら、尿と一緒に自然に出た」という体験談を聞くことも多く、自然に排泄されるイメージもあります。
しかし、石が尿路をふさぎ、腎臓が尿で膨張して働かなくなる「水腎症」になる危険性もあるので要注意。
小さい結石であれば尿とともに排出されることもあるので、鎮痛剤で痛みに対処しながら、結石はそのまま放置することもあります。
結石が大きかったり、突起があるなど、大きさや形状、存在する部位によっては、体外から衝撃波を与えて結石を細かく砕いて尿から排出させる治療法があります。また、内視鏡手術での摘出や、開腹による摘出が必要なこともあります。
似ている症状では、腎臓がん、膀胱がん、腎臓の血管が詰まる腎梗塞など、生命にかかわる病気の場合も。
尿路結石と思われる症状が現れたらすぐに泌尿器科を受診してください。