数の概念、数とは何か
数字も符号のひとつですが、ひとつひとつで独立した意味があります。
「1」は「ひとつ」、「2」は「ふたつ」、「3」は「みっつ」で(1)「数(個数)」を意味しています。
そして、(2)「特定の性質」のものだけを数えます。
犬なら犬、猫なら猫だけを数えます。動物を数えるときには、犬や猫だけでなく、ほかの動物も数えます。
また、数には、(3)「単位」があります。
1時間、2時間、3時間……。
4グラム、5グラム、6グラム……。
7km、8km、9km……。
この、(1)数(個数)、(2)特定の性質、(3)単位が「数の要素」で、これがわかれば、数の概念、数とは何かがわかったことになります。
また、数は「順番」を意味することもあります。
1960年代以降に、文明堂のカステラのテレビCM――「カステラ一番、電話は二番、三時のおやつは文明堂♪」というものがありました。
これは、カステラが第一番、当時の電話交換手に「○○局の二番」(と言うか、直接地方局番2ケタと4ケタの番号を指示すれば文明堂に電話がつながった)、そして、三時のおやつに文明堂のカステラを、という意味です。
ここで重要なのは、「1」は1番目、「2」は2番目、「3」は3番目を意味する「順番」があることを教えることです。
これらのことを感じとり、知ることが算数力アップや数学的センスを育てることにつながるのです。
計算は電卓でできますし、「そろばん」はほとんど使われなくなりましたが、数字を書いたり、計算したりする単純作業は、いったい何を強化しているのでしょうか。
この作業によって、量や数に対して共通の概念がはぐくまれ、コミュニケーションに必要な極めて基礎的な数の概念が養われるのです。