史上初の女性都知事が誕生した。無所属の小池百合子氏が、政党の支援を受ける増田寛也氏や鳥越俊太郎氏を大きく引き離して当選したのはなぜなのか。また、今回の選挙から見えてきた選挙制度に内在する課題、4年後の東京オリンピックに向けて都知事が取り組むべき課題とは何なのか。ポイントを整理してみた。(政治ジャーナリスト 松井雅博)
史上初の女性都知事誕生!
野党4党には手痛い敗北
4年に1度の祭典、オリンピック・パラリンピックがリオデジャネイロで今週末にも開幕する。
同じく、本来は4年に1度のイベントであるはずだが、なぜか頻繁に行われている東京都知事選挙の結果が出た。4年後のオリンピックの舞台となる東京都の新リーダーに小池氏が選ばれた。
今回の東京都知事選挙は混戦だった。小池氏は誰よりも早く都知事候補に手を挙げたものの、自民党東京都連と衝突。自民党は増田氏を推薦し、自民党は分裂した。一方の野党4党は統一候補の擁立を合意。この時点で、野党候補が相当有利になると思われた。
この野党有利の理由を説明するために、つい3週間前に行われた参院選の結果を見てみよう。
◆7月10日投開票 参議院議員選挙 東京選挙区における政党別比例得票数
結果を見ていただければわかるように、東京都においては与党と野党4党への支持はほぼ拮抗している。したがって、自民党が分裂した時点で、野党統一候補は圧倒的に有利だったはずなのだ。
その野党統一候補の座をめぐって、一時は蓮舫参議院議員の出馬も噂されたが、本人が明確に否定。俳優の石田純一氏が名乗りをあげたり、元経産省官僚の古賀茂明氏の名も挙がったが、一転、ジャーナリストの鳥越氏に決まった。
だが、選挙戦が始まってみれば、結果は3番手。野党4党にとっては手痛い敗北となった。