多くの企業、経営者が頭を悩ましている、「顧客の獲得」と「顧客の継続率」。積極的な営業活動や多くの販促費を費やしても、なかなか目立った成果をあげることは難しい。そういった中、1つのビジネスモデルが注目を集めている。それが「新・家元制度」。このビジネスモデルは、現在の事業の中に、教育事業を採り入れることで、限りなく少ない顧客獲得コストで、高い顧客継続率を可能にするという。その「新・家元制度」という魅力的なビジネスモデルの提唱者である、前田出氏にこのビジネスモデルの真髄を伺った。(聞き手/船井総合研究所:小林昇太郎、撮影/蛭間勇介)
「好き」を仕事にする
インストラクターを3万1000名育成
――前田さんはラジオ番組でパーソナリティをされていたり女性起業支援をされていたりと精力的な活動をされていますね。
そうですね、どちらも新しいビジネスに着目した取り組みなんですが、ラジオではいま「0から1を生む力」という番組でその名の通り0から1(無から有)を創り出し、日本を元気にしようと活躍している人を毎回ゲストにお迎えしてお話を伺っています。女性起業支援というのは『楽習フォーラム』といって「好きを仕事にしよう!」をテーマに開講された団体です。いままでにビーズ、キルト、押し花といったホビークラフトの分野で活躍する女性インストラクター(先生)を9年間で3万1000名育成しています。
――自分の力で何か始めたいという人たちのバックアップをされているのですね。
そうです。そして楽習フォーラムで作ったビジネスモデルを他の業態にも展開し始めました。それがいま取り組んでいる「新・家元制度」です。
――なるほど、そのような「新・家元制度」の成り立ちがあったのですね。では、この「新・家元制度」についてもう少し詳しくお話を聞かせてください。
僕はこの「新・家元制度」を使って2015年までに200協会作りたいという思いでやっています。いままで楽習フォーラムでは、ホビークラフト関連で20種類の認定講座を作ったんです。その他に、僕が関係している協会は30くらいですね。僕が「新・家元制度」をやっている目的は2つあって、まず1つ目は起業家育成。2つ目は業界の中でナンバー1の人間をつくり、その業界を刷新していく。このインストラクター事業というのは、自分のビジネスの中に教育を取り入れることでストックも資本もほとんどかけずに起業ができる。10年とか20年、自分でビジネスをしてきた人がノウハウをカリキュラム化して世に送り出す。そうすることで業界のカリスマといわれるような人を育成していき、業界は新しく生まれ変わる。そういうビジネスモデルです。