フェイスブックと「農」は相性が抜群!
食の安全性への意識の高まり、農への理解、ITやネット環境の充実……特にフェイスブックをはじめとするSNSは、まさに農との相性が抜群です。
農業を生き方ではなく「ビジネス」ととらえると、特徴のある作物、たとえば果樹や果物などの嗜好品を育てるという方法もあります。
嗜好品ならブランディング次第で高付加価値をつけることも可能です(もちろん簡単ではありませんが)。
ただこの方法だと、初期コストがかかり、ブランド化するまでに時間もかかるのである程度資金が必要になってきます。
農的暮らしを含めてこれから農業をしようとした場合、パッと浮かぶのが、自給用を含め、野菜の少量多品種栽培ではないかと思います。
果樹などと比べても、とっかかりが簡単なので、多くの人が少量多品種農家としてスタートします。
ただ、なかなかビジネスとしてやっていくのが厳しいというのが現状のようです。
そういったこともあり、風来には全国からたくさんの視察依頼がきています(あまりに多いため、申し訳ありませんが、現在、個人視察の受け入れはしておりません)。
風来では、少量多品種に加え、小規模多様性農業を取り入れることでうまく経営ができています。
なぜ、ノウハウを100%開示するのか?
私は、団体視察や講演、そして本書でもノウハウをほぼ100%開示しています。
ときどき、「ここまで公開していいんですか?」と心配の声をいただくほどです。
視察にこられる同業者にノウハウを伝えるのは、言ってしまえば、ライバルを育てるということです。
拡大思考で売上アップを第一に考えたなら肝心なところだけは隠すでしょう。
しかし、私自身、規模を大きくする気がないと、対応できるお客さんにも限りがあります。
おかげさまで、全国から多数のご注文をいただいており、現在、風来ではご注文から発送まで、長時間お待たせしている状況で、申し訳なく思っています。
うれしい悲鳴ではありますが、同じようなところが全国各地にどんどん出てきてくれるといいなと思っています。
日本の有機農業のはしりは、「野菜セット+米の配達から」というところが多かったようですが、当時、一軒の家族農家を支えるのに50軒の契約(毎週配達)があれば、十分食べていけたそうです。
そのぐらいでいいと思えたら、小さい農家が入る余地はまだまだあるように思えませんか?
そして、ノウハウとはあくまでもベースです。
そのうえに個人個人の特性をしっかり出していく。
小さいからこそ出せるのが人柄であり個性。それは誰にもマネできないオリジナルな強みになります。
そして、その個性を積み重ねると、安い・高い、多い・少ないなど「比較差」を飛び越えて、高くても遠くてもあなたから買う!という「絶対差」になっていきます。
「絶対差」があることは、経営の安定に直結していくのです。