100年に1度の激変!チョコレート市場Photo:Natasha Breen/gettyimages

ブランディングやおしゃれなパッケージが目を引き、連日、ファッション誌やグルメ誌に取り上げられる「Bean to Bar」。しかし、ただの流行ではない。チョコレートを取り巻く既存のシステムを抜本的に変える可能性を秘めているのだ。特集『100年に1度の激変!チョコレート市場』(全9回)の#8では、話題性やデザイン性とは別の角度で「Bean to Bar」の可能性を探る。(ダイヤモンド編集部編集委員 長谷川幸光)

「週刊ダイヤモンド」2020年6月13日号の第2特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

チョコレートのつくり手は
チョコレートを購入してつくっている

 デザイン性の高いパッケージやブランディングが目を引く「Bean to Bar(ビーン・トゥ・バー)」だが、ただの流行ではない。実は生産者と消費者をつなぐ重要な役割を担うのだ。

「長い歴史からチョコレートはまさに転換期を迎えようとしている」。チョコレート専門店の店主はBean to Barの登場をこう評した。

 Bean to Barとは、カカオ豆(Bean)の選別や焙煎、成型といった一連の板チョコ(Bar)づくりに一貫して携わる製造方法のことだ。

 しかし「そんなの当然では?」と思う人もいるだろう。