かの残響、清冽なり――本田美奈子.と日本のポピュラー音楽史 日本のポピュラー音楽の誕生をレコード産業の創始と同時だと考えると、1910年代にさかのぼる。この連載では、日本の音楽史100年を、たった20年の間に多様なポピュラー音楽の稜線を駆け抜けた本田美奈子さんの音楽家人生を軸にしてたどっていく。 第69回(最終回) 多彩な歌唱法を身に着けた本田美奈子を造形した東宝プロデューサー酒井喜一郎の舞台半世紀 坪井賢一 第68回 浅草から東宝へ移った古川ロッパ・菊田一夫と「ミス・サイゴン」プロデューサー古川清の交点 坪井賢一 第67回 三浦環の初の録音「カヴァレリア・ルスティカーナ」から最後の「庭の千草」(1911-44)まで聴いてみた 坪井賢一 第66回 オペラのアリアから流行歌まで110曲、三浦環が残したクロスオーバーな録音 坪井賢一 第65回 本田美奈子さんの最後の舞台写真を撮影した原田京子さんによる「犬と猫」の里親探し写真展 坪井賢一 第64回 「本田美奈子負傷休演」で登場した「伊東恵里」の晴朗にして劇的な歌唱史 坪井賢一 第63回 元「モーニング娘。」安倍なつみがクラシカルで甘美なソプラノ曲を歌うまで 坪井賢一 第62回 「ミス・サイゴン」日本初演(1992-93) もう一人の主役キム「入絵加奈子」の22年 坪井賢一 第61回 日本人初の世界的なオペラ歌手として活動した三浦環20年間の最盛期をたどってみた 坪井賢一 第60回 本格的歌手、近代劇スター女優の登場で作家、劇作家、画家が残した環と須磨子の評判 坪井賢一 第59回 帝国劇場開場2年間のプログラムで俄然注目された三浦環の出演は5回、独唱から歌劇まで(1911-12年) 坪井賢一 第58回 「蝶々夫人」を1910-30年代に欧米で歌ったソプラノ歌手・三浦環の数奇な音楽人生 坪井賢一 第57回 「服部=笠置ブギ」15曲で日本中ダンシング 同時期にシンフォニック・ジャズも発表 坪井賢一 第56回 生誕100年「ブギの女王」笠置シヅ子に出会った服部良一の戦中と戦後 坪井賢一 第55回 服部良一と淡谷のり子が「ブルース」で席巻、昭和戦前のジャズ・ソング全盛期を創出 坪井賢一 第54回 交響楽団でオーボエとフルート、ジャズバンドでサックスを掛け持ちしながら楽理を学んだ服部良一 坪井賢一 第53回 5音音階の和風流行歌全盛期の昭和10年代に「ジャズ・ソング」で打って出た服部良一 坪井賢一 第52回 佐野学は獄中で共産党を脱党し「転向」、東海林太郎はクラシックから流行歌へ転進 坪井賢一 第51回 経済学者を目指した東海林太郎はなぜ流行歌手になったのか 坪井賢一 第50回 直立不動、燕尾服で「赤城の子守唄」を歌う東海林太郎の登場(1933) 坪井賢一 次のページ