『三流の維新 一流の江戸』
著者・原田伊織からのメッセージ

 このたび、『三流の維新 一流の江戸――「官賊」薩長も知らなかった驚きの「江戸システム」』を渾身の気持ちをこめて書いた。江戸を描くのは初めてである。

 江戸という時代は、明治近代政権によって全否定された。
 歴史から抹殺されたといっても過言ではない位置づけをされて、今日に至っているのである。

 その存在力は、新政権の正統性を示すためだけに土深く埋められたといっていいだろう。

 しかし、今、世界がこの「江戸」という時代とその様式、価値観に何かを求めて視線を当てている。

 国内でも、リーマンショックで覚醒させられたかのように、無意識であろうが「江戸」へ回帰する「時代の気分」が、特に「江戸」が何たるかを全く知らないであろう若年層を中心に充満している。

 私は、一連の著作に於いて、史実に忠実に従えば、明治維新とは民族としての過ちではなかったかと問いかけてきた。

 これは、一度国家を壊しながらも今もなお政権を維持している薩長政権に対する問いかけでもある。

 もし、明治維新が過ちであったとすれば、その最大の過ちが直前の時代である江戸を全否定したことである。

 或いは、少なくとも江戸を全否定したことだけは、明白な過ちであったといえるのではないか。

本書は、その是非を問うことをメインテーマとするものではなく、埋められたままの江戸を一度掘り返してみて引き継ぐべきDNAを解き明かしてみようと試みるものである。

 しかし、江戸は多様であり、多彩である。
 この拙い一篇の書き物で解き明かせるような貧弱な仕組みで成り立っていたものではない。

 そのことを理解しながら、その一端でも掘り起こすことができれば、私たちが子どもたちの時代の「無事」のために何を為すべきかのヒントが得られるものと信じたい。

 そして、世の諸賢が“寄ってたかって”全容を解明すれば、江戸は確かに未来構築の一つの指針になるであろうことを、私自身が固く信じたいのである。

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【第1位】「官賊」薩長も知らなかった「江戸システム」の正体
【第2位】徳川慶喜の大政奉還に隠された深刻な事情
【第3位】明治維新は失敗に終わった!薩長にはできない徳川慶喜の必死の外交


【ダイヤモンド社書籍編集部からのお知らせ 】

『三流の維新 一流の江戸
 ――「官賊」薩長も知らなかった驚きの「江戸システム」』

『三流の維新 一流の江戸 ―「官賊」薩長も知らなかった驚きの「江戸システム」』
原田 伊織:著
価格(本体):¥1500
発行年月:2016年12月
判型/造本:46並製
ISBN:978-4-478-10032-5

「読売新聞」「プレジデント」で紹介!話題沸騰!発売たちまち重版出来! ベストセラー『明治維新という過ち』の異色作家が放つ新境地!
最も文明を動かす「人口と経済」で読み解く
江戸250年~明治維新の誰も教えてくれなかった真実!

いま、なぜ世界は江戸に向かうのか?

2020年東京オリンピック以降の
グランドデザインは江戸にあり!

◆なぜ、民族として「明治維新は過ち」だったのか?
◆明治とは、本当に、清廉で透き通った時代だったのか?
◆薩長志士たちが「問答無用」でテロリズムに走り、江戸を全否定した理由
◆「元和偃武」という明確な時代コンセプトにより250年の平和が保たれた
◆平成の少子高齢化と「歴史人口学」から浮かび上がる江戸版国勢調査
◆江戸幕府は「鎖国」をしていない!
◆南蛮船を通じて日本人が人身売買されていた!?
◆五街道・北前船・鯖街道が育んだ豊かな地方経済
◆誰も教えてくれなかった江戸式「おもいやり社会」
◆小栗上野介忠順による日本初の労務管理システム
◆世界のクロサワの『羅生門』の雨に秘められた歌川広重の話
◆垂れ流しのパリ・循環の江戸!世界が驚いた「江戸システム」……etc

「忠実な史実」に基づく
目からウロコの連続!!
いま、どうしても読んでおきたい一冊!

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【目次】
☆はじめに:埋められた「江戸」を掘り起こす
☆序章:世界のクロサワを生んだ『羅生門』の雨
☆第一章:「明治維新」という過ち
☆第二章:明治復古政権による「江戸」の全否定
☆第三章:誤解に満ちた徳川幕藩体制
☆第四章:世界が驚いた江戸の社会システム
☆終章:江戸の社会と価値観から学ぶもの