地球環境問題、大規模災害、新型コロナウイルス感染症などの世界共通の危機が顕在化したことで、企業経営は大きく揺らいでいる。いまや「戦略の優位性」以上に企業倫理が厳しく問われ、企業評価は、「信頼に足る行動を伴うかどうか」で判断されつつある。
「あまねくステークホルダーの期待に応えるための事業運営ひいては企業経営を行う」というきわめてシンプルな原則を組織に浸透させることではないだろうか。その実践的知見が満載の『パワー・オブ・トラスト』の読みどころを、「10年後も生き残るにはどうすればいいか?」という視点から「編集者の眼」で解説する。