国際教育にも力を注ぐ海城。2019年秋の全日本模擬国連では1チームが本選で優秀賞に輝き、2020年6月にニューヨークで開催される第2回世界大会への切符を獲得した 写真提供:海城中学高等学校

開成・武蔵に勢い、攻玉社・巣鴨・世田谷学園・海城・駒場東邦にも人気

 東京男子御三家はいずれも出願を締め切った。難関校最多の志願者を誇るのが開成で、2020年は前年比35人増の1266人に達している。次いで、麻布は21人減の1016人、武蔵は22人増の601人となっている。ここで注意したいのが各校の募集人員で、開成と麻布は各300人、武蔵160人と大きく差がある。そのため、志願者倍率では麻布よりも武蔵のほうが厳しい。

 難関私立大の付属・系属校も好調で、慶應義塾普通部は20人増、早稲田高等学院はほぼ前年並みだが、早稲田は実に105人も増加している。早稲田は例年、学校説明会の人気があり、進学実績も早稲田大と国立難関大の両にらみといった点も受けている。 

 上位進学校では、1月25日時点の数値では駒場東邦と海城が前年を1割前後上回る勢いにある。御三家に次ぐ上位校として大衆的な人気があるといえようか。駒場東邦はしばらく入りやすい状況が続いていたが、東大実績を受けて、人気が復調している。同様のことは多摩の雄である桐朋にもいえそうだ。

 まだ出願が間に合う入試では、攻玉社が1月24日時点でも前年実績を超えており、11月の予想実倍率でも人気がうかがえた巣鴨の午後入試が驚異的に志願者数を増やしている点が特筆できる。世田谷学園も好調を維持している。

 一方で、比較的緩和傾向となりそうな入試もある。大穴といえるのが芝や本郷。特に本郷の前年と比べての出足の鈍さには意外感がある。こうした学校はこの数日間で大きく数字が動く可能性もあり、要注目だ。

 また、進学実績などに安定感のある東京都市大学付属のように、午後入試の出願が受験当日の13時まで可能というところもある。1日午前の試験が終わってからも、出願を巡る情報戦は続きそうだ。