3万3728人が受験した東京の1日午前
2022年首都圏中学入試の全容が判明した。東京・神奈川の2月1日午前入試の受験者数合計は21年比で3.5%増加した。受験者数では07年、08年に次ぐが、小6生に占める受験生の割合である受験比率では08年よりわずか0.03%少ないだけという史上最多レベルだったことは、以前の連載で触れた通りである。
22年、東京の私立中高一貫校では、2月1日午前だけで3万3728人が受験している。1日から3日まで、午前と午後に分けて、その受験者動向をデータで検証していこう。図1~3には18~22年の5年間の受験者数をグラフで掲載してある。
2月1日・2日・3日の午前と午後、東京入試の全6回の受験者数合計を見ると、18年は8万2656人、20年は9万7601人、22年は10万3201人といった具合で、少子化の流れと逆行するように年々増加している。それは、受験比率が上昇しているからである。
入試が1回だけの首都圏私立中高一貫校は20校ある。そのうち、東京の学校は1日11校、2日2校、3日1校で、残りは神奈川(1日3校、2日2校、3日1校)である。1日のこうした難関・上位校の合否発表は2日以降、学校ごとに重ならないよう時間をずらして行われている。
そのため、1日午後や2日午前の入試は、多くの受験生にとって必須のものであり、1日午前・午後と2日午前の3回を合わせた22年の受験者数は7万5850人に達している。コロナ禍がぎりぎりで影響を及ぼさなかった20年の7万1679人より5.8%増えているし、18年と22年を比べると20.3%の増加となる。この増加に寄与しているのが1日の午後入試である。次ページの図1のように、午前と午後の受験者数の差が年々縮まってきている。
22年入試の注目点は三つある。まず、各回の動向をつかむため、四谷大塚結果偏差値で分けたランクで勢いのあるものを見た。次に、21年比で50人以上受験者数が増えた人気の入試を各回で示した。そして、総じて好調な午後入試の状況を見ている。
2日の受験者数合計の推移は図2に掲げたが、こちらも増加傾向にある。図3の3日までには合格をつかんだ受験生も多いと思われるが、3日午前は前年並みながら、午後は増えている。各校がどのように入試日程を組むかで、出願者数・受験者数が毎年動く。この点については、次回以降の連載でも引き続き見ていきたい。