2月1日の狙い目入試

 ここからは、志望者数が前年比で10%以上減っている東京神奈川の狙い目の入試を中心に見ていこう。東京男子御三家では、麻布が減少傾向にある。特に中堅志望者層の減少幅が大きい。ここ数年増加基調だった武蔵は、上位層の減少分を中堅層が埋める形で微減傾向だが、3倍は超えそうである。慶應義塾普通部は大きく減らしており、実倍率2.8倍が2倍台前半まで緩和するかもしれない。

 上位・中堅男子校では、東京都市大学付属の1日午前入試参入で一番影響を受けやすい世田谷学園(1回)が、7月には3倍割れの緩和傾向にあったものの、9月には少し持ち直してきているようだ。実倍率2.77倍の巣鴨(1回)はさらに緩和して2倍程度、同2.68倍の成城(1回)は2倍台前半まで、同2.01倍の攻玉社(1回)は上位・中堅層が減少気味で、1倍台後半までそれぞれ緩和しそうである。聖学院(1回)も、現状ではかなり受けやすくて入りやすく状況にある。鎌倉学園(1次)は微減、2倍強程度まで緩和しそうな状況にあった高輪(A)は持ち直してきている。

 共学校は大学の付属校から見ていこう。女子同様緩和傾向にある早稲田実業は、3倍を維持できるかという状況にある。中央大学附属(1回)は少し持ち直したが、法政大学(1回)は3倍を割り込み2倍台半ばまで緩和する可能性も見えている。日本大学(A1回)は大幅緩和で2倍割れに、東洋大学京北(1回)は5倍台を維持している。日本大学第二(1回)は7月よりも緩和して2倍を維持できるかという情勢である。

 一方、日本大学藤沢(1回)は2倍台半ばまで戻している。日本大学第一(4科1回)は2倍割れ、帝京大学(1回)と創価は1倍台後半がそれぞれ見えている。日本工業大学駒場(1回)と東海大学相模(A)は少し持ち直しているものの、狙い目の入試であることに変わりはなさそうだ。

 他に東京共学校では、実倍率2.52倍だった渋谷教育学園渋谷(1回)は2倍割れ、同3.55倍の開智日本橋学園(1回)は2倍台後半まで緩和の見込みだ。同6倍の広尾学園小石川(1回)は3倍台前半、同2.74倍の安田学園(先進特待1回)は1倍台前半まで、いずれも大きく緩和するかもしれない。

 1日午後男子校から見ていこう。685人が受験した大人気の獨協(2回)は、7月に続いて2倍台半ば強まで緩和傾向を示している。同187人の鎌倉学園(算数)は実倍率2.2倍から1倍台半ばまで大きく緩和するかもしれず、併願先としては受かりやすくなってきた。

 共学校では、同357人で実倍率3.53倍の人気校である神奈川大学附属(1回)が3倍割れも見えており、ここを第一志望とする受験生には少し希望が見えたかもしれない。同199人の安田学園(先進特待2回)は2倍台半ば弱への緩和傾向が続いている。同130人で実倍率2.28倍の多摩大学目黒(特待・特進1回)は1倍台半ばとさらに緩和傾向にある。他に受験者数は少ないものの、八雲学園(2回)と文化学園大学杉並(2回)はいずれも1倍台前半で、受けやすく合格も得やすい状況にある。

 実倍率4.82倍の開智日本橋(特待)は3倍台前半へ、同6.23倍の広尾学園小石川(2回)3倍台半ばへと、いずれも大きく緩和して3倍台に乗りそうなものの、1日午後の受験生にとってはまだ厳しい倍率である。