2月1日午前の人気入試

 これは男子校で顕著だが、エリアごとのトップ難関校に集中する傾向が9月の志望者動向には見られる。東京区部では開成、横浜では聖光学院、湘南では栄光学園といった具合で、御三家と称されるような同じ水準の学校間でも、志望者がシフトしている。また、開成(高校棟)や海城(理科棟)のように、新校舎は男子受験生にも響くようだ。

 2月入試の人気校(入試)は、東京神奈川を一緒に見ていこう。1日午前男子校では、1050人と一番受験生の多い開成が続伸しており、3倍に迫る。海城(1回)は7月より少し落ち着いたが3倍台半ばを維持、芝(1回)は7月より勢いを増して3倍に乗せそうだ。上位受験者層がこれら3校の人気を引っ張っている。7月には減少傾向だった駒場東邦は、上位・中堅層が前年並みの志望状況となり、実倍率1.9倍を23年も維持しそうだ。実倍率3.58倍の早稲田大学高等学院も微増傾向で、ほぼ前年並みとなりそうだ。

 男子校では、中堅層に支えられて城北(1回)は増加傾向、実倍率2.89倍の本郷(1回)は上位層の志望者が上積みされて、3倍に乗せるかもしれない。獨協(1回)は4倍を超え、ここ数年軟調だった桐朋(1回)では中堅層の志望者が増えており、2倍台半ばに迫る。復調傾向の逗子開成(1回)も2倍強となりそうだ。サレジオ学院(A)は7月よりも落ち着いている。

 共学校は、9月になって浮上してきた受験者数100人台の入試が目立つ。実倍率5.79倍のかえつ有明(2科・4科)は加熱しており、9倍台半ばの可能性も出ている。成城学園(1回)は4倍に、青稜(1回A)は5倍にそれぞれ乗せる勢いだ。受験者数100人未満では、森村学園(1回)がほぼ3倍、順天(A1回)が3倍強、東京都市大学等々力(1回)と桐蔭学園中等教育学校(1回午前)が3倍台半ば前後と、初回にしては厳しい倍率である。

 増加傾向ではあるものの、7月より落ち着いている学校も見ておこう。関東学院(一期A)は7月の4倍弱から9月は3倍台半ばまで予想倍率が下がっている。広尾学園(1回)は3倍乗せから2倍台後半に、東京電機大学(1回)も落ち着きを見せ、青山学院横浜英和(A)は引き続き極めて受けやすい状況にある。