内部昇格や公立校からの転身も

 他にも大学付属校を見ていこう。明治学院中学校・明治学院東村山高等学校は大西哲也新校長が副校長から就任、年々実倍率が緩和気味の創価中学校では高柳喜人新校長が就いた。日本通運の流通経済大学が23年に新規開校した流通経済大学付属柏中学校の赤城政広新校長は、サッカー強豪校である1985年開校の付属高校の社会科教員として入り、付属高校教頭、開設準備事務室室長を経ての就任となった。

 國學院大學栃木中学・高等学校の實島範朗新校長は、保健体育科教員で教頭からの就任となる。国学院大学久我山の29期生で、高校時代は野球部の主将を務め、本校でも25年間野球部監督を務める中、夏1回・春3回の甲子園出場を誇る。

 全教員を対象に部活動の顧問就任を任意とする労働協約を締結した東洋大学附属牛久中学校・高等学校は、都立高校出身の金澤利明新校長を迎えた。早稲田大教育学部出身の日本史教員で、東京都歴史教育研究会会長も務めた。都教育委員会の指導主事、小石川高校の副校長として小石川中等教育学校の立ち上げにも参画、大森高校、杉並高校、足立西高校で校長を務め、東京都公立高等学校長協会会長など、学校運営の経験も豊富である。本校では都立高出身者の就任が続いている。

 東京成徳大学深谷中学高等学校の石川薫新校長は、埼玉県立高校の家庭科教員だが、高校の現場に22年間、教育行政に15年間身を置いた。元不動岡女子高校の不動岡誠和高校教頭として、県内唯一の福祉科と総合学科を併設する誠和福祉高校への改組に関与、普通科・保育科・家政科学科と3学科を設置する鴻巣女子高校の校長を務めた。一方で、女性として初めて県教育局高校教育指導課長、県立総合教育センター所長、県立学校部副部長・部長に就くなど、多彩な経歴である。

 系列に短期大学を持つ千葉明徳中学校・高等学校の宮下和彦新校長は慶應ボーイである。慶應義塾大経済学部・文学部哲学科を卒業後、金融機関に2年間勤めた後は本校の国語科教員を務め、中学(2011年開校)と高校の教頭、副校長からの就任となった。10年前から進学校化を本格的に進めており、1月実施の適性検査型入試には多くの受験生が集まっている。