神奈川・埼玉・千葉・茨城の新校長

 神奈川県は、大学の付属校から見ていこう。2月1日午後を初回入試に設定して人気校となった神奈川大学附属(横浜市緑区)では、副校長から小林道夫氏が昇格した。情報科教員が校長になる例は珍しい。ICT教育に一貫して携わってきており、今後の展開にも期待が持てそうだ。

 日本大学(横浜市港北区)の新校長である中園健二氏は、進路指導部主任、中学教頭、高校教頭を経ての就任となった。同校は、日本大系列校の中では他大学進学志向も強い元男子校である。一方、日本大学生物資源科学部の併設校である日本大学藤沢(藤沢市)では、日本大学高校と日本大学出身の渡辺博氏が新校長となった。

 山手学院(横浜市栄区)の設置母体である学校法人山手英学院は有隣堂の一族が設立したこともあり、現理事長は有隣堂の松信裕会長が務めている。学校長に就いた蓑田大氏は教頭からの昇格である。5年前に就任した前校長の時乗洋昭氏は、神奈川県立湘南高校や秦野高校の校長を歴任、進学重点校や県立中高一貫校の立ち上げなど教育行政にも関与している。

 青山学院大と関係が深かった横須賀学院(横須賀市)では、副校長の天野海走氏が昇格した。前校長の川名稔氏は県高等学校野球連盟参与を務めた社会科教員だったが、天野氏は牧師で宗教主任でもある。

 埼玉県では、冒頭で触れた小野正人氏が、開智所沢中等教育学校(所沢市)の校長代理となった。春日部共栄(春日部市)では、教頭の加藤和己氏が昇格した。昌平(杉戸町)では、高校は加藤慎也氏、中学は村田貴也氏がそれぞれ新校長となった。首都圏唯一といっていい全寮制の秀明(川越市)では、高校の教頭を務めた神原洋氏が中学校長となっている。

 千葉県では、昭和学院(市川市)の中高校長に、筑波大学附属小から系列の小学校校長に移った、算数教育で有名な山本良和氏が就いた。千葉日本大学第一(船橋市)では教頭を務めた羽鳥和弘氏が第6代校長に就任している。

 最後に、県立の二つの中等教育学校についても触れておこう。神奈川県で初の県立中高一貫校となった相模原中等教育学校(相模原市南区)の新校長には県立海老名高校副校長の岡野正之氏が就いた。

 各エリアの県立進学校の中高一貫化が完了した茨城県では、水戸第一と土浦第一が公立校の双璧だが、2008年に設立された並木中等教育学校(つくば市)は、いまや茨城県立御三家と呼んでもいいほど勢いがある。前校長の深澤美紀代氏は、学校教育部高校教育改革・中高一貫校開設チームグループリーダーを務めるなど教育行政に力を振るったが、新校長の柴崎孝浩氏は母校である水戸第一からの就任となった。県としての力の入れ具合がうかがえるような人事である。