中2生が学校施設に泊まり込んで話し合う「ごてんば教室」。2020年と21年は校内での実施となり、毎朝の礼拝が行われるいつもの講堂で朝礼拝も実施した 写真提供:女子学院中学校・高等学校

時代に左右されない本質とは

――生徒数はいかがですか。経営的には1学年200人以上ですと安定しますね。

鵜崎 女子学院の募集定員は240人ですが、1クラス45人で、5クラスになる225人程度となっています。毎年270人台の合格を出していますが、共学校や大学の付属校などを最終的に選択し、辞退される方もいます。

――女子学院では、他校が取り組む以前から、英語の授業をずっと英語でやっていますね。

鵜崎 これはミッションスクールの特徴でもあります。英語教育では、文化を伝えることと語学を学ぶことが並行して行われてきました。

――ホームページを見ていたら、学校紹介の動画も公開されていますね。こうしたものは昔からありましたでしょうか。

鵜崎 このような形で生徒の姿を出すといったことは長い間ありませんでした。コロナの状況もありまして、なんとか学校の様子を公開していこうということで載せています。

――拝見すると、家庭科の授業はとても実践的で、洋服をつくったりするのですね。

鵜崎 キリスト教学校は不思議なもので、昔から家庭科や保健体育をすごく重視していて、裁縫など日常生活にかかわる教育が伝統的に行われています。

――女子校でも理系志向が強まっていますが、文系・理系の状況はいかがですか。

鵜崎 受験段階で見ると5:5です。カリキュラムでは高2まで全員が全科目必修で、高3で選択科目を用意しています。大学に入ってから、興味を持った分野に進路を変えていくことはありますね。どの科目も基礎は押さえていますから、その際にも学び直しをする必要はなくて済みます。

――海外大学へ直接進学する卒業生もいますか。

鵜崎 年に2~3人、希望する人がいます。台湾の大学やハンガリーの医学部に行く人もいました。紹介状は書きますが、そのためのプログラムを特に用意しているわけではありません。高校在学中に留学する生徒も年に2~3人はいます。

――この4月から高校でも始まる新学習指導要領の新課程では、「総合的な探究の時間」のような新しいカリキュラムも入ってきましたが。

鵜崎  学習指導要領には卒業要件などで合わせていかなければいけません。学校として本来持っておきたい科目などをその中にどのようにして当てはめて教えていくか、難しいところもありました。教えていきたいこと自体は変わっていません。女子学院として、生徒に伝えていきたいコアの部分をどのようにうまくすりあわせながら、カリキュラムの中に入れていくかを考えています。

――新しく大学入学共通テストにも教科として「情報」が入ります。

鵜崎 「情報I」が必修化されることはこれまでの流れで分かっていましたが、それを共通テストにあそこまで取り入れていくことは少し想定外でした。

 いまは生徒たちが本当にデジタルネイティブですから、私たちが教えることはむしろ理念ですとか、扱い方とかいった部分になります。