第2世代に移行した中高の教員も、平均年齢30代と全体的に若い 写真提供:西大和学園中学校・高等学校

第2世代に移行した教員

――飯田先生が校長になられたのはこの4月からですが、まだお若いですね。

飯田 今年、48歳になりました。

――以前の校長先生にお会いしたとき、確かまだ30代の方だったように記憶しています。

飯田 かなり以前の校長の平林春行先生でしょうか。

――西大和は伝統的に、若い校長という印象があります。

飯田 私の前任の中岡義久先生(現・大和大学教授)は59歳で退任しましたので、10歳若返った感じです。私も上から数えた方がはるかに早い歳になりました。学園設立当初の教員の平均年齢は20代でしたが、いまも30代後半で、若さを維持しています。

――50代の教員がいないのですか。

飯田 数えるほどです。再来年で10周年を迎える同じ学校法人西大和学園グループの大和大学が開学しました。中高を立ち上げ、その礎を築いた先輩方は、その大和大学や隣接する同グループの白鳳短期大学(1998年開学)の立ち上げ、運営に回ることで、一所にとどまらず、新しい改革や仕事に携わってくださっています。

――中高のベテラン教員が短大や大学に移るというのは珍しい仕組みですね。中高は若い人で回す伝統があるわけですか。

飯田 創始者のお考えです。中高生と泣いて笑っての毎日を全身全霊で過ごすには、パワーが必要です。また、常に変わり続ける「変革する西大和」を維持するためにも、若い風を常に吹き込みながら、柔軟にかつスピード感を持って、日々に満足せずに過ごさなくてはいけません。また、それを楽しめなくてはいけません。若い先生方がまた新しい西大和をつくってくれています! 

――学校の雰囲気もだいぶ変わったことでしょう。

飯田 本校は22年度の新入生が40期となります。25年前に私が入った頃は、朝から夜まで勉強しろという感じでしたが、毎年のように雰囲気は変わってきました。いまではまったく異なる雰囲気の学校です。

――校長として、どのように取り組もうとお考えでしょうか。

飯田 先輩方が築いてくださった西大和学園のいいところ、「パッション」と「変革するスピード感」を維持しつつ、新しい西大和学園をつくっていきたいと考えています。年度始めの研修会でも「経営者目線を持った教員になろうと思ってみませんか?」という話もしました。

 会社の経営者は倒産するかもしれないというリスクを背負い、自らの夢や社会貢献のために自らの命の時間を過ごします。結果を出すしかないし、逃げるわけにはいきませんし、それを心底楽しみながら、日々を過ごしています。その覚悟や生き方は「次代を担うリーダー」に必要な素養の一つだとも思います。

 本校の教員も一人一人がそんな人生を過ごせれば、そんな命の時間を過ごすことができれば、その背中を見て過ごす子どもたちに悪い影響は出ないと思います。「大人ってかっこいいな!」「大人って何でもできるんだな」という子どもたちのメンターの一人になる教員が集う学校に、もっともっとしていきたいと考えています。

 そのためにはしっかりしたエビデンスに基づく教育も必要でしょう。狭い「学校」というコミュニティーにとどまらない「学校」をつくっていければ最高です!

――チームとしての学年団が中心であることは変わらないわけですね。

飯田 中高で九つある学年団ごとに、学年部長と担任の島を分けて、張り合うようにもしています(笑)。例えば、高1では中高一貫の中等部の学年団と高校からの高等部の学年団があり、その責任者の学年部長もそれぞれにいます。

――学内の実力テストのようなものをやっておられて、すり合わせるのでしょうね。高等部の成績の方が良かったりしたときは……。

飯田 それがいいんですよ!「悔しい」という思いが次の行動につながります。良かった時も悪かった時も、皆でその原因をとことん考え、次につなげる。成績会議を何回も行って、生徒の進学先も皆で議論・検討を重ねています。