探究学習からの派生で活発な生徒
――先生の名刺にバナナのマークが付いていますが、これは何ですか。
石澤 これはバナナの皮の繊維で紙を作ろうという生徒によるエコな活動の一環です。啓蒙(けいもう)のため、マスクに貼るSDGsのマークをバナナペーパーで作りたいとなり、そのシールをみんなに買ってもらうことになりました。それで教師も名刺に貼ろうね、と。
――生徒発案なのですね。東洋英和の生徒さんはマスクにシールを貼っているわけですね。
石澤 いまは在庫がなくなってしまいましたが、多くの生徒が付けていました。
――先ほど、データサイエンスにも力を入れていくというお話でしたが、具体的にはどのような取り組みをなさっていますか。
石澤 教科「情報」を高1でしっかり学ぶことが基本で、それ以外にもパソコンをいろいろな場面で使う。例えば、ディスカッションの記録を自分で取るといった操作に中高で慣れてもらう。パソコンを使えないと仕事になりませんから。
本校では高1からの総合探究でSDGsを取り上げています。誰に聞いたらどのような情報が取れるか、フィールドワークでアンケートなどにより集めた情報の扱い方をどうするか、それをどのように分析するのかについて、レクチャーを行います。それに基づいて発表してもらい、それをフィードバックして、2段階で評価しています。
――中学でも何か行っていますか。
石澤 中学生の間は「人に仕える」と意味の「ディアコニア」活動を行っていて、実際に困っている人たちとどのように一緒に暮らしていくか実践的にお話を聞いています。
――ところで、このコーヒーは何でしょう。
石澤 これは「一杯のコーヒーから始めるSDGs」をスローガンに掲げる「コーヒープロジェクト」という有志団体が商品化しました。生徒たちはプロジェクトを通して実現したいSDGsの目標に合ったコーヒー豆を使いたいと考えて、パナマの先住民族の学校を支援しているコトワ農園のものを選びました。イラストは美大志望の生徒が描いています。地元商店街にも交渉に行って。とりあえず、卒業生がやっているベーカリーショップに置いてもらっています。
特に学校の許可とかはなく、生徒が自分たちで進めています。僕が面白がっているので、先生方もそれでいいだろうと思い、それが生徒にも伝わっているようです。