文化祭「楓祭」で上演されたダンス部による「ノートルダムの鐘」(左)と音楽部によるミュージカル「ロミオとジュリエット」。音楽部からは宝塚音楽学校に進む卒業生も多い 写真提供:東洋英和女学院

音楽があふれる校内

[聞き手] 森上展安(もりがみ・のぶやす) 森上教育研究所代表。1953年岡山生まれ。早稲田大学法学部卒。学習塾「ぶQ」の塾長を経て、88年森上教育研究所を設立。40年にわたり中学受験を見つめてきた第一人者。父母向けセミナー「わが子が伸びる親の『技』研究会」を主宰している。

――東京藝術大音楽学部でパイプオルガンを専門とするオルガン科には、昔から本校の卒業生が多いですね。

石澤 付属校並みに入っています(笑)。中高の中に「オルガン科」という大人気の課外教室があります。パイプオルガンを弾ける時間は休み時間などに限られるため、順番待ちになっています。

――パイプオルガンって、高いですよね。

石澤 いまのパイプオルガンはドイツ製で二代目です。本校の象徴のような存在です。このパイプオルガンのほかにも、教室にはアップライトピアノがあり、校内には25台ほどのピアノとオルガンがあります。大学で使わなかったものや母の会からはスタインウェイが寄付されました。

 朝登校すると、誰かが何かしら弾いていて、とにかく音楽に囲まれています。そこは大事にしています。

――ところで、部員の多い部活動は何ですか。

石澤 ハンドベル部です。あとはバスケットボール部ですか。“ステージ系”といわれているダンス部、音楽部、英語劇部、ハンドベル部、合唱部、放送部あたりは人気があり、熱心に練習しています。

 ダンス部は、ストーリー性のあるものを音楽に合わせて踊っています。この前はウェストサイドストーリーをやっていました。指導者があまりいないので、台本から衣装まで自分たちで創り上げています。

 音楽部はミュージカルで、ここからは宝塚音楽学校に毎年のように合格しています。後輩たちも憧れを持って見ていますね。

――タカラヅカですと、これはキャリアにつながりますね。

石澤 中3から受験できますので、合格すると高2くらいで中退して入りますね。

――以前ある学校で、先輩から後輩に靴ひもを贈るという話を聞いたことがあります。こちらの学校でもそういうものはありますか。

石澤 あります、あります。うちの場合はハチマキですね。球技会とか体育祭で、クラスカラーのハチマキをみんな巻きますが、そこにメッセージを書いてもらったり、先輩のハチマキを少し切ってもらうとか。

――おすそ分けするわけですね(笑)。

石澤 カバンにぼろ布が付いていたので「それ何」と尋ねたら、「先輩のハチマキなんです。バカにしないでください」と(笑)。ものすごく先輩と後輩のつながりが強いですね。

本格的なパイプオルガン(上) 課外活動の「オルガン科」は大人気(左下) 部員数が一番多いハンドベル部(右下) 写真提供(左下・右下):東洋英和女学院
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