野口悠紀雄

野口悠紀雄

(のぐちゆきお)
一橋大学名誉教授

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『1940年体制―さらば戦時経済』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』『仮想通貨革命』『ブロックチェーン革命』など。近著に『中国が世界を攪乱する』『経験なき経済危機』『書くことについて』『リープフロッグ 逆転勝ちの経済学』『「超」英語独学法』などがある。野口悠紀雄ホームページ

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賃金が上がるのになぜ日本経済は“ゼロ成長”?「価格転嫁」を奨励する大間違い
野口悠紀雄
2024年の実質経済成長率はほぼゼロ成長になった。賃上げという望ましい事態が進行しているのに、なぜ成長率が低下するのか? それは賃上げが生産性の上昇でなく転嫁によって行われているからだ。このため実質賃金が上昇せず、実質消費が減少する。
賃金が上がるのになぜ日本経済は“ゼロ成長”?「価格転嫁」を奨励する大間違い
日本で維持・更新できる社会資本は「7~8割」!?インフラ“老朽化時代”の日本の選択
野口悠紀雄
GDPに対する投資割合の推移や国交省の試算によると、現存する社会資本のうち維持更新が可能なものは7割から8割程度と推計される。人口減少の下でコミュニティーの核である社会資本の全てを維持するのは不可能という厳しい現実を認識する必要がある。
日本で維持・更新できる社会資本は「7~8割」!?インフラ“老朽化時代”の日本の選択
2040年には道路橋の75%とトンネルの53%が「耐用年数」超え、インフラ老朽化事故は今後も起きる
野口悠紀雄
埼玉県八潮市で下水道が破損し道路が陥没する事故が起きたが、2020年で耐用年数を超えた道路橋は30%、トンネルや港湾施設でも2割を占める。成長期に急速に整備された社会資本が今後、集中して加速度的に耐用年数を迎える。この維持補修は今後の日本で極めて重要で困難な課題だ。
2040年には道路橋の75%とトンネルの53%が「耐用年数」超え、インフラ老朽化事故は今後も起きる
日本のハイテク技術者報酬は米西海岸「3分の1以下」の低賃金、“世界最先端”から取り残される日本の大問題
野口悠紀雄
ソフトウエアエンジニアの平均報酬を見ると、日本はトップのアメリカ西海岸地域の3分の1以下だ。企業の時価総額ランキングや大学ランキングも同様で日本が世界最先端の経済活動から取り残されていることが分かる。追いつくには高等教育への投資が重要だが、現実には予算が削減されている。
日本のハイテク技術者報酬は米西海岸「3分の1以下」の低賃金、“世界最先端”から取り残される日本の大問題
物価高で押しつぶされる「無職世帯」、日銀金融緩和政策の“看過できないマイナス”
野口悠紀雄
「物価が上がれば経済が良くなる」と日本銀行は金融緩和を続け、高賃上げの波及を物価目標達成の重要なメルクマールとしてきた。しかし、高齢者などの無職世帯は物価高騰の影響だけを受けて実所得が減少し消費を切り詰めている。物価上昇を金科玉条のごとく目指す政策が誤っていることを示すものだ。
物価高で押しつぶされる「無職世帯」、日銀金融緩和政策の“看過できないマイナス”
実質賃金「4カ月連続マイナス」、いまだ賃金と物価の好循環と肯定する“日銀の罪”
野口悠紀雄
春闘などでの高賃上げの下でも実質賃金は4カ月連続マイナスとなっているのは、賃上げが生産性の上昇を伴わず価格転嫁によって行なわれているからだ。賃金が上がっても物価はさらに上がる「悪循環」であり、日本銀行がいまの状況を「物価と賃金の好循環」として肯定する限り、石破政権が掲げる実質賃金引き上げは実現できない。
実質賃金「4カ月連続マイナス」、いまだ賃金と物価の好循環と肯定する“日銀の罪”
日本製鉄「USスチール買収」の混迷、“不合理”なのは米政府の政治介入だけではない
野口悠紀雄
日本製鉄によるUSスチール買収計画での日米の対応には不可解なことが多い。バイデン大統領の禁止命令は政治的な思惑による不合理な決定だと思うが、日本製鉄が生産量の拡大にこだわっているように見えるのも時代遅れの発想のように思われる。なぜ買収を進めようとするのか、理解できない。
日本製鉄「USスチール買収」の混迷、“不合理”なのは米政府の政治介入だけではない
物価2%上昇でも5年間の成長率は米国や韓国の1年にも及ばず、日銀大規模緩和の「嘘」
野口悠紀雄
2%物価目標」を掲げて金融政策が続けられてきたが、2022年以降、消費者物価上昇率は日銀が目的としてきた2%を超えているにもかかわらず、日本は異常な低成長から脱却できない。これは物価上昇率引き上げを目標とする金融政策が根本的に誤っていたことを意味する。
物価2%上昇でも5年間の成長率は米国や韓国の1年にも及ばず、日銀大規模緩和の「嘘」
物価と賃金の「悪循環」回避、1970年代の石油危機の経験生かせ
野口悠紀雄
「高賃上げ」や「物価と賃金の好循環」が掲げられる中で名目賃金の伸びは著しいが、実質賃金はほとんど不変だ。賃上げ分が価格に転嫁され物価を上昇させているためだ。実質消費は増えず、むしろ「悪循環」が懸念される。この事態を避けるには生産性を上昇させるか、企業利益を圧縮するかしか方法がない。
物価と賃金の「悪循環」回避、1970年代の石油危機の経験生かせ
日本人の英語力「世界92位」凋落は国際競争力低下と“連動”、弱点克服ツールはChatGPT!?
野口悠紀雄
日本人の英語能力は直近の国際機関の調査では世界92位だ。この言葉のギャップが国際競争力低下や経済の低生産性の一因になっていることは間違いない。これを克服する強力な手段として期待できるのがChatGPTだ。英語の勉強を進め、外国語文献の要約翻訳を簡単に手に入れることができる。
日本人の英語力「世界92位」凋落は国際競争力低下と“連動”、弱点克服ツールはChatGPT!?
「103万円の壁」見直しや物価高対策、“近視眼的思考”で長期停滞脱却はできない
野口悠紀雄
日本経済停滞の最大の要因は「近視眼的思考」による政策の失敗にある。生産性が向上しないことが経済低迷の一番の原因とわかっていながら、金融緩和や円安誘導など当面当座の対応で糊塗(こと)してきた。「103万円の壁」見直しもその典型だ。生産性向上には高度人材の育成が急務だ。
「103万円の壁」見直しや物価高対策、“近視眼的思考”で長期停滞脱却はできない
物価と賃金の「好循環」は本物か?生産性上昇が伴わない賃上げは危うい
野口悠紀雄
9月勤労統計調査でも現金給与総額は前年比2.6%と堅調だが、最近の賃金と物価の上昇は望ましい変化だと一般に考えられている。しかしいまの賃上げは消費者物価への転嫁、つまり消費者の負担で実現している。生産性上昇が伴わない賃上げは物価と賃金の悪循環をもたらす危険がある。
物価と賃金の「好循環」は本物か?生産性上昇が伴わない賃上げは危うい
所得税の「負担率」は90年代初めより低い、拙速な所得税の調整は避けよ
野口悠紀雄
所得税の基礎控除引き上げの議論が本格化するが、所得税の負担率はこの数年間に急上昇したものの、長期的に見ると1990年代から2010年ごろまでは低下している。このところ必要性が希薄なバラマキ減税が実施されてきたことなども考えると、いまの時点で所得税の調整が必要なのかは検討の余地がある。
所得税の「負担率」は90年代初めより低い、拙速な所得税の調整は避けよ
「103万円の壁」見直し問題、基礎控除引き上げはインフレ“自動増税”への正しい対応か?
野口悠紀雄
石破政権との政策協力で、国民民主党が「手取り収入を増やす」として求める所得税の基礎控除引き上げの主張は正しいのか。ここ数年、賃金上昇などによって「自動増税」になっていることを考えると調整は必要だが、問題は所得税制のどの部分について何を基準にどれだけの減税を行なうかだ。
「103万円の壁」見直し問題、基礎控除引き上げはインフレ“自動増税”への正しい対応か?
米国はなぜ日本より豊かなのか?コロナワクチン開発の速さを見れば納得するしかない
野口悠紀雄
コロナワクチン開発で示されたアメリカの「強さ」の理由は、世界各国から優秀な人材を受け入れ、能力を発揮できる機会を与えてきたことにある。その背景のひとつに、ナチの劣等民族根絶政策を受け、優れた科学者がドイツや近隣諸国から逃げ出した過去があった――。本稿は、野口悠紀雄『アメリカはなぜ日本より豊かなのか?』(幻冬舎新書)の一部を抜粋・編集したものです。
米国はなぜ日本より豊かなのか?コロナワクチン開発の速さを見れば納得するしかない
日本を破綻に導く「英国病」の再来か?平均賃上げ率5%超えも手放しで喜べないワケ
野口悠紀雄
生産性が上がって付加価値が増えれば、賃金が上昇して消費が増加し、結果として経済成長率が高くなるというのが本来のセオリーだが、日本はそのちょうど逆の状態に落ち込んでいる。日本労働組合総連合会の2024年第1回集計における平均賃上げ率は5%を超え、一見喜ばしいことのようにも思えるが、じつは決して無視できない“ある危険”をはらんでいるという――。本稿は、野口悠紀雄『アメリカはなぜ日本より豊かなのか?』(幻冬舎新書)の一部を抜粋・編集したものです。
日本を破綻に導く「英国病」の再来か?平均賃上げ率5%超えも手放しで喜べないワケ
石破政権の与野党「部分連合」が招く財政赤字拡大、総花的政策は“インフレ被害者”の政治不満強める
野口悠紀雄
予算や税制で与野党の政策協力を打ち出した石破政権だが「部分連合」でさまざまな案を取り入れ総花的な政策になる結果、財政赤字が拡大しインフレになるリスクが生まれた。政権運営の安定化を図る思惑とは逆にインフレによって政治への不信や不満が強まり社会が不安定化しかねない。
石破政権の与野党「部分連合」が招く財政赤字拡大、総花的政策は“インフレ被害者”の政治不満強める
日本が今よりもっと円安だった40年前と比べて、ずっと貧しくなった深刻な事情
野口悠紀雄
今の異常な円安の原因は、世界の中央銀行が金融引き締めに転じたなか、日銀だけが過度な金融緩和を継続したことの結果といえる。日本経済にさまざまな問題を引き起こしているこの惨状を、どう立て直していくかが、日銀に課された大きな課題だ。はたして、その打開策とは?本稿は、野口悠紀雄『アメリカはなぜ日本より豊かなのか?』(幻冬舎新書)の一部を抜粋・編集したものです。
日本が今よりもっと円安だった40年前と比べて、ずっと貧しくなった深刻な事情
自公大敗後の試金石の緊急経済対策、「規模ありき」ではなく実質賃金上昇の基盤整備が王道
野口悠紀雄
石破政権は緊急経済対策としてガソリン代や電気・ガス代の補助を延長する可能性が強いが、物価高対策は技術革新促進や労働生産性引き上げなどで実質賃金を引き上げる環境整備に重点を置くべきだ。補正予算についても規模ありきで中身が吟味されないのでは効果は期待できない。
自公大敗後の試金石の緊急経済対策、「規模ありき」ではなく実質賃金上昇の基盤整備が王道
「実質賃金」引き上げの“公約”は画期的だが、価格転嫁では実現しない
野口悠紀雄
今回の総選挙では実質賃金の引き上げを公約などに掲げる政党が目立つが、実現は価格転嫁によってできるほど簡単なものではない。王道は生産性の向上でありサービス業の中で新たなビジネスを生み出すなどによって産業構造を転換する大改革が必要だ。
「実質賃金」引き上げの“公約”は画期的だが、価格転嫁では実現しない
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