
2024.7.4
物価2%上昇でもGDP成長率「0.4%程度」、IMFが予測する5年後の日本経済“低成長”
政府・日銀は2%物価目標実現で日本経済は持続的な成長軌道に戻るとしているが、IMFの2029年までの「世界経済見通し」では、今後、消費者物価上昇率は2%程度になるが、実質GDP成長率は0.4%程度にしかならない。無意味な物価目標を廃棄し財政健全…
一橋大学名誉教授
1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『1940年体制―さらば戦時経済』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』『仮想通貨革命』『ブロックチェーン革命』など。近著に『中国が世界を攪乱する』『経験なき経済危機』『書くことについて』『リープフロッグ 逆転勝ちの経済学』『「超」英語独学法』などがある。野口悠紀雄ホームページ
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2024.7.4
政府・日銀は2%物価目標実現で日本経済は持続的な成長軌道に戻るとしているが、IMFの2029年までの「世界経済見通し」では、今後、消費者物価上昇率は2%程度になるが、実質GDP成長率は0.4%程度にしかならない。無意味な物価目標を廃棄し財政健全…
2024.6.27
歴史的な物価上昇のもと1~3月期の実質GDPは再びマイナスとなり家計消費は4カ月連続マイナスが続くのに対して大企業の利益は増大している。輸入物価が上昇したときには、販売価格を引き上げ、消費者など最終財の購入者に負担を転嫁したが、2023年以…
2024.6.20
上場企業の決算は史上最高益と言われるが、法人企業統計調査をもとに分析すると、それは原価の上昇を販売価格に転嫁することによって実現した。他方、労働分配率は低下している。価格転嫁という消費者の負担増で大企業は利益増を達成したのが実態だ…
2024.6.13
異常な円安は日米の金利差だけでなく、デジタル赤字など日本経済の構造に原因があるとの見方があるが、真の問題は日本経済が利上げに対する耐性を持たないため、金利を引き上げられないことだ。財政を含め経済の弱さが金融政策の自由度を低下させて…
2024.6.6
これまでほとんど伸びていなかったGDPデフレーターが急伸している。これは企業が輸入物価が下落したのを売上価格引き下げに反映させなかったためだ。欧州とは違うメカニズムだが、企業の利潤拡大行動が物価水準を高騰させる「強欲インフレ」が日本…
2024.5.30
前回の公的年金財政検証が行われた5年前、「老後に約2000万円が不足」という試算を巡って騒動が起きた。老後生活に必要な積立額をその時と同じ方法で計算すると、当時の「2000万円」が「1108万円」になる。もともと必要資金の評価方法には疑問もあ…
2024.5.23
賃金と物価の“好循環”による経済活性化に期待する声があるが、物価上昇で実質賃金が下落し消費支出が減ってGDPがマイナス成長に陥っている。政府は賃金上昇を価格に転嫁させようとしているが、それはコストプッシュ・インフレを加速させ「スタグ…
2024.5.16
円安になれば輸出数量が増え国内の生産が増える「メリット」があると言われていたが、円安が加速した2023年のドルベースの輸出額は減少した。円安で企業利益が増えるのは、原材料価格の上昇を消費者に転嫁するからで、円安は自動車など一部の業種以…
2024.5.9
大卒初任給が大幅に上昇、金融などでは企業間の横並びも崩れてきた。人手不足感の高まりや大卒年齢の22歳人口が急減する問題が背景にあるが、本来は生産性向上で対処すべきなのに頭数を揃えるという発想から脱却できておらず、“一律横並び”で人材…
2024.5.2
日本社会は学歴による賃金差が大きいという意味で「学歴社会」だと言われるが、賃金差の要因は企業規模による方が大きい場合もある。塾などの費用も含めた進学に必要な費用は高卒者との賃金の差では取り返せない計算で、大学進学は割に合わない“教…
2024.4.25
2024年の公的年金財政検証の基礎となるマクロ経済などの想定が決められた。年金の所得代替率や財政収支などは実質経済成長率によって大きく左右されるが、「長期安定」や「現状投影」など中心的なケースの成長率に関する想定は、非現実的なまでに楽…
2024.4.18
アメリカへの移民の急増は社会的な混乱をもたらし、11月大統領選の大きな争点だが、同時に移民の増加は労働力の供給を増やしインフレを緩和させる効果を持っている。これは、FRBの利下げタイミングに大きな影響を与える。
2024.4.11
多額の補助金を支出して誘致した世界最大の半導体ファンドリー、TSMCの熊本工場が操業を開始し日本の半導体産業復活の期待が高まる。だが現状、熊本工場で作られるのはAIなどに使う最先端半導体ではない。そもそも日の丸半導体凋落の原因はほかにあ…
2024.4.4
円安が進んでいる。ユーロやポンドの減価は2022年10月で止まり、レートはコロナ以前の水準に戻っている。アメリカの金融引き締めの影響によるドル高は22年秋に終わったのに、円だけがコロナ禍前より大幅に減価したままなのは、日銀が金融正常化宣言…
2024.3.28
春闘で満額回答を超える高い賃上げが続いた。これは賃金と物価の好循環の始まりで望ましい変化だとする見方が多い。しかし生産性上昇を伴わない賃金上昇が販売価格に転嫁されるとコストプッシュインフレを誘発、賃金と物価の“悪循環”に陥る危険が…
2024.3.21
日本銀行はマイナス金利解除を決めたが、実質経済成長率や2%物価目標に比べると不整合な超低利を維持し過剰な金融緩和を続けてきたことを考えると当然の見直しだ。長期金利についても2~3%まで引き上げる必要があるが、同時にデジタル化推進など…
2024.3.14
日経平均株価は最高値更新だが、GDPや家計消費、輸出数量、鉱工業生産指数などさまざまな指標でみた日本の経済活動は停滞している。その半面で円ベース輸入物価が下落しているのに消費者物価は上昇し経済の一部には賃金上昇が物価を引き上げている…
2024.3.7
コロナ禍をはさんだ2019年から23年の間にアメリカ経済は成長したが、日本はマイナス成長だった。アメリカではIT企業を中心として技術革新が起ったのに日本では起きなかったからだ。春闘賃上げに期待する声が高まるが、賃金が成長をけん引するのでは…
2024.2.29
歴史的インフレ局面でも米国では実質賃金は上昇、一方で日本は下落が続くのは経済の成長力や金融政策の差が大きい。米国はITなどに支えられた経済の活況がインフレを生んだ要因でもあるのに対して、日本は経済停滞が続く中で緩和政策が輸入インフレ…
2024.2.22
日経平均株価は年初来15%を超える上昇でバブル期の最高値更新が目前の状況だ。だが国内総生産が直近公表の昨年10~12月期で2四半期連続のマイナス成長、実質賃金も下落を続けている状況と明らかに矛盾する。高株価を支える企業業績好調の基盤もよ…
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