井手ゆきえ
コロナ禍で子どもの「神経性やせ症」が増加、小児科医に相談を
国立成育医療研究センターは、コロナ禍での子供の健康に関する調査を続けている。10月21日に公表された調査結果では、2020年度中に「神経性やせ症(神経性食欲不振)」が増加していることが報告された。

「蛋白尿」を放置してはダメ!脳-心-腎臓病やがんの可能性も
蛋白尿と聞くと「腎臓の病気」が思い浮かぶが、実は心筋梗塞や脳卒中、おまけにがんリスクも反映している。

老眼を目薬で改善!米食品医薬品局が世界初承認
一説によると、日本の老眼人口は総人口のおよそ半数の7000万人超だという。眼の老化は15歳前後から始まるが、一般に生活に支障が出てくるのは40歳以降だ。3人に1人が65歳以上の高齢者という現状からすれば、老眼人口の多さも驚く話ではない。

1人住まいの学生は「肥満リスク」が上昇、大阪大の研究より
1人暮らしはコンビニ弁当や外食に頼りがちで体重管理が難しい。単身赴任の中高年に限ったことかと思いきや、大学生でもリスクがあるようだ。大阪大学キャンパスライフ健康支援センターの研究グループは、2007~15年度に大阪大学に入学した学生2万6394人(男性1万7540人、女性8854人)の在学期間中の健診データから、入学時の居住形態と体重増加リスク(登録時から10%以上)と体格指数25以上の肥満リスクとの関連を検討している。

腰痛対策に認知行動療法、「痛み」の見直しで効果
一説によると日本の40歳以上の男女、およそ3000万人は「腰痛持ち」だ。「痛み」は、けがや打撲による「侵害受容性の痛み」、神経に障害や炎症が起こって生じる「神経障害性の痛み」、そして「脳の誤作動による痛み」に大別される。

ブースター接種がイスラエルで効果上げる、誰が打つべきか
新型コロナワクチンの接種率が7割に迫る一方、2月に先行接種していた医療従事者への「ブースター接種」――3回目の接種が12月には始まりそうだ。ワクチン接種後、半年間で血液中に含まれる抗体(ウイルスに対抗する免疫の武器)価が、ピーク時の4分の1に下がるケースがあるためで、ブースター接種により抗体価が増える効果を期待できる。

睡眠薬の長期連用、更年期女性では効果なし?
夏の「睡眠負債」を過ごしやすい秋に取り戻したい場合、特に更年期の女性は薬に頼り過ぎないように気をつけたい。閉経前後の女性の多くは不眠症に悩まされがちだ。更年期症候群の一症状として簡単に睡眠薬を処方されるケースも少なくない。

「1日8000歩、時に速歩で」コロナの時代の健康術
新型コロナワクチンの接種が進み「新しい日常」も視野に入ってきた。ただし、ウイルスとの共存がしばらく続く以上、日々の健康管理が肝心だ。

乳がん検診、マンモ+超音波の有効性は?
ピンクリボン月間だ。日本では40歳以上の女性に2年ごとの乳がん検診が推奨されている。コロナ禍で、検診機会を逃さないよう気をつけたい。乳がん検診ではマンモグラフィー(マンモ:乳房エックス線撮影)が使われるが、乳房を挟む「痛い」イメージが先行して敬遠されがち。最近は、マンモと痛みがない超音波検査を組み合わせる自治体が増えてきた。

接種後ブレイクスルー感染、感染率は?重症化は?
新型コロナウイルスワクチンの接種が進み、今度は接種後の「ブレイクスルー感染」が話題になっている。ワクチン接種で先行しているイスラエルからの報告では、ファイザー/ビオンテック社のワクチン2回接種、7日以上を経過した後に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を発症、入院した152人について解析。内訳は人工呼吸器の装着が必要だった患者が38人、死亡は34人だった。

世界の高血圧症は過去30年間で倍増、日本の現状は…
世界の高血圧症の数は過去30年間に倍増。しかも半数は治療をしていないという。世界保健機関の調査から。同調査は、世界184カ国と地域で30~79歳の1億0400万人が参加した集団調査の統合解析で、収縮期血圧(上の血圧)140mmHg以上、拡張期血圧(下の血圧)90mmHg以上、または血圧を下げる薬を服用しているケースを「高血圧症」と定義し、有病率と治療率を調べた。

糖尿病患者の脚切断リスク、非糖尿病者の10倍にも
糖尿病の合併症では腎不全や失明が思い浮かぶが、脚の切断率が約10倍に跳ね上がることは意外に知られていない。奈良県立医科大学の研究グループは、国内の診療報酬明細書(レセプト)データを集積した「NDB」から、2013年4月~18年3月の5年間に初めて脚を切断した患者のデータを抽出。糖尿病の有無によるリスクを比較した。

「中年で代謝低下」は都市伝説!?もう中年太りの言い訳にはできない
代謝が落ちているから多少太っても仕方がない――は中年の常とう句。ところが中年=代謝の低下は都市伝説らしい。国立医薬基盤・健康・栄養研究所、筑波大学などが協力した世界29カ国の共同研究の報告から。

子どものメンタルヘルスをコロナが直撃、世界各国で危機的な状況
コロナ禍が子どもたちの心の健康を直撃している。カナダ・カルガリー大学の研究者らは、2020年1月~21年2月16日に東アジア、欧州、北米で報告された青少年(18歳以下)のメンタルヘルスに関する29件の研究データを集積。合計8万0879人(平均年齢13.0歳、女性52.7%)分を統合解析した。

SNSのがん情報の3分の1はフェイク、米ユタ大の調査より
コロナ禍は医療を巡る誤情報の多さを改めてあぶり出した。緊急事態に限らず、誤情報の犠牲になるのは、いつも患者本人だ。がん医療も例外ではない。米ユタ大学の研究グループは、2018年1月~19年12月の間に主要なSNSに投稿された乳がん、前立腺がん、大腸がん、肺がんの記事について、「いいね!」等のエンゲージメント率を評価。おのおの上位50件を洗い出し、専門医が内容を精査した。

炎症性腸疾患と食事の関係、加糖飲料などの「超」加工食よりも植物性食品を
潰瘍性大腸炎やクローン病に代表される炎症性腸疾患(IBD)は、自己免疫疾患の一つで下痢や腹痛、血便などが生じる。欧米に多い病気だが、今世紀に入りアジア諸国で増加中だ。

日本人と「座りっぱなし」リスク、とにかく小まめに動くこと!
日本人は平日平均で6.25時間と世界一「座りっぱなし」の国民だ。リモートワークの普及で拍車がかかっている。京都府立医科大学の研究グループは、日本多施設共同コホート研究(J-MICC研究)に参加した地域住民(年齢35~69歳、およそ10万人)のうち、6万4456人(男性2万9022人)を平均7.7年間追跡。脂質異常症、高血圧、糖尿病の三つの生活習慣病の有無と、余暇時間の運動量で、座位時間と死亡リスクの関係がどう変化するかを検討した。

「21世紀型頭痛」10~40代で増加中、青魚を食べて改善を
ストレス、睡眠不足に不健康な食習慣、加えてデジタル過剰がもたらす姿勢の悪さと、現代人の生活様式は頭痛リスクが満載だ。ついに「21世紀型頭痛」という名も生まれた。症状はズキンズキンと「脈が打つような」痛みが数時間~72時間ほど持続し、ときに吐き気や臭覚・視覚過敏を伴う「片頭痛」や、頭の周りと後頭部~首にかけて締め付けられるような痛みが生じる「緊張型頭痛」などで、今の生活様式で育った10代から50歳未満で患者が増加している。

コロナ後遺症「3割が半年後も症状が持続」、軽症例や若年層でも油断は禁物
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の後遺症の実態が明らかになってきた。日本国内では、2020年1月~21年2月にCOVID-19で入院した522人を調査した結果、退院時に倦怠感などの自覚症状を認めた人の3割で診断から半年がたった時点でも、症状が持続していたことが判明。

しゃっくりを止める科学的方法、「柿のへたの煎じ薬」「ストロー」
たかがしゃっくり、されどしゃっくり。鼻や喉への刺激で横隔神経と迷走神経を介して横隔膜のけいれんと喉周辺の収縮が生じ、不快感や、ひどいときは睡眠に支障が出る。
