井手ゆきえ
9月は健康増進普及月間、まずは睡眠の見直しから
毎年9月は健康増進普及月間。コロナ禍で健康の大切さが身に染みた今、基本の睡眠から、身体をメンテナンスしよう。理想的な睡眠時間は7時間だといわれるが、睡眠不足の人が睡眠を改善した場合のメリットは、いまひとつ明らかではなかった。

「食卓で塩を足す」と死亡リスク上昇、平均余命が1~2年短縮
最近の外食メニューは、健康志向を反映し「減塩」をうたうものが多い。物足りず、塩や醤油を足す方もいるだろう。米テュレーン大学の研究グループは英バイオバンク参加者50万1379人のデータを使い、食卓で塩を使う頻度と、平均余命の関係を解析している。

#15
歯周病と糖尿病や認知症などの全身疾患との関連が注目されている。研究が重ねられ、エビデンス(科学的根拠)が蓄積されつつあるところだ。「歯と全身の健康」の関係は今、どこまで分かってきているのか。現在位置を冷静に確認しておこう。

#14
歯ブラシ、フロス、歯間ブラシと毎日の歯磨きツールは山ほどあれど、本当に正しく使えているか、“やったつもり”になってはいないか?歯のお手入れの“正解”をきちんと理解するところから始めよう。

#9
ドラッグストアの棚には、歯磨き粉やマウスウォッシュがこれでもかと並んでいる。薬用成分も多種多様だ。この中で、本当に薦められるコストパフォーマンスのいい商品はどれなのか。薬用成分のエビデンス判定と価格によって、コスパのいい市販の歯磨き粉ベスト3を選定した。

#8
要介護となった高齢者が自力で歯科医院に通うのは難しい。歯科の訪問診療もまだまだ根付いていない。高齢者のお口の健康はしばしば“ほったらかし”になってしまっている。歯がボロボロになった認知症高齢者などが多数生まれている実態がある。

#6
全国の歯科医院の数は6万7000を超える。その中には当然、質の悪い石ころも交じっているはずだ。だが、悲しいかな、その良しあしはうかがい知れない。そこで歯科医院の内部事情をよく知る歯科衛生士4人に、これまで院内で「何を見てきたか」を語ってもらった。

脳卒中は夏の病気?酷暑で死亡率が上昇
酷暑だ。異常気象が「通常」になると季節性の疾患も様変わりする。冬の病気とされてきた脳卒中も例外ではない。オーストラリアの研究グループは、高温または熱波と脳卒中、心筋梗塞などの「心血管疾患」との関連を調べるため、世界各地の観察研究266件を総合的に解析した。この際、気候帯の影響に配慮し、熱帯、乾燥帯、温帯(地中海、海洋性、亜熱帯)、大陸性の4区分に相当する国と地域の調査・研究を組み入れている。

“善玉”コレステロールは「高ければ良い」というものではない
医療の現場ではHDLコレステロール(HDL-C)に対し「善玉」という説明をしなくなっている。HDL-C値が高すぎると、死亡リスクが上昇するとわかってきたからだ。

「朝の運動」でお腹の脂肪と血圧が減少、ただし女性に限る?
運動にも最適な時間帯があるようだ。しかも性差つきで。米スキッドモア・カレッジの研究者は、30人の女性(平均体格指数24、平均年齢42歳)と26人の男性(同25.5、同45歳)を、06~08時に運動する群(朝活群)と、18時半~20時半に運動する群(夕活群)とに割り付け、コーチ指導の下、同大で開発した運動と食事のプログラムを12週間実行した。

若年者も普通体重がお勧め、BMI22以上で乳がんリスク低下
肥満は閉経後乳がんのリスクだが、閉経前の若年層は痩せていたほうが乳がんになりやすい。ただし、この“常識”は欧米のデータから導かれたもので、元々の体格が違う日本人にも当てはまるかは曖昧だった。

血圧を抑える食べ方、「何時に」どの栄養を摂る?
最近の食事療法では「何をどれだけ」食べるかに加えて、「いつ」食べるかを考慮する時間栄養学が注目されている。一般にも知られているのは1日の食事を日中の12時間以内に済ませ、毎日一定の絶食時間を設ける方法だろう。持って生まれた体内時計に沿って食事をすることで、代謝リズムが安定し、体重の低下や血糖値の改善が期待できる。栄養素ごとに摂取タイミングを調べる研究も行われている。

パソコン作業の疲れ目には「オメガ3系脂肪酸」、豪メルボルン大の研究より
パソコンと向き合っているうちに眼の充血や乾き、痛みに悩まされるVDT症候群。予防目的でモニターから放射されるブルーライトをカットする眼鏡をかけたり、目に良いとされるサプリメント(サプリ)を飲んでいる人も多いだろう。果たして効果は証明されているのだろうか。

糖尿病予防に「ビタミンD」は効果あり?産業医科大の研究より
近年、ビタミンDが2型糖尿病(2DM)の発症を予防する可能性が指摘されている。産業医科大学の研究グループは成人の「糖尿病予備群」に対し、骨粗しょう症の治療に使われている活性型ビタミンD製剤の2DM発症予防効果を検討した。

コロナの発症後、「血栓・出血」に注意すべき期間はどれくらい?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、血管内で血液が“凝固”する「静脈血栓塞栓症(VTE)」リスクを上昇させるが、いつまで高リスク状態が続くのだろう。

食物繊維は「摂り過ぎ」に注意、肝機能に悪影響も?
腸内細菌叢との関連で注目される食物繊維。「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、生活習慣病予防のための目標量として18~64歳の男性で1日21g以上、女性は18g以上を推奨している。目標量を満たすには豆類、キノコ類、海藻類のほか、少なくとも1食は玄米ご飯や全粒パンを食べるといい。さて、一口に食物繊維といっても水溶性のペクチンや非水溶性のセルロース、消化されにくいデキストリンなど多種多様だ。どうやら、健康効果にも差があることがわかってきた。

アキレス腱断裂時の治療法、「手術vs装具固定」どちらがいい?
中高年のスポーツ外傷が増えている。膝のけがと並び、多いのはアキレス腱断裂だ。アキレス腱はふくらはぎから踵へ繋がる人体で最も太い腱を指す。腱が切れる音は衝撃的だが、意外に痛みは小さい。受傷後、時間がたてば足を引きずりながらも歩ける。ただ、つま先立ちはできない。

コロナ発症後、「血栓・出血」にはいつごろまで注意すればいいか
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、血管内で血液が“凝固”する「静脈血栓塞栓症(VTE)」リスクを上昇させるが、いつまで高リスク状態が続くのだろう。スウェーデン・ウメオ大学の研究グループは、公衆衛生庁の感染症監視システムを使い、2020年2月1日から21年5月25日の期間に新型コロナウイルス陽性例(初発のみ)100万人超を特定。性別や年齢、居住地がマッチした400万人超の陰性例とVTEリスクを比較している。

歩いて応援!「パ・リーグウォーク」で健康づくりを
運動不足の解消にはウオーキングが手っ取り早い。最近は歩数でポイントをためる「ポイ活」連動アプリや、歩きながらミッションをクリアするゲーム系のアプリが選び放題で、モチベーションを保ちやすくなった。

40歳以降のアルコール依存症は、「前頭側頭型認知症」の初期症状かも?
アルコール依存症(アルコール使用障害:AUD)は、全てのタイプの認知症リスクを3.3倍に上昇させる。米マウントサイナイ医科大学の研究グループは、社会性が欠如し、抑制が利かなくなる「前頭側頭型認知症」、記憶障害や見当識障害が中心の「アルツハイマー型認知症」、言葉がすぐ出てこない、あるいは短い文書を復唱できない「意味変形型原発性進行性失語症」の3タイプの認知症について、AUDとの関係を調べている。
