井手ゆきえ
抗がん剤治療中のリハビリで腫瘍の縮小率が上昇、英国の研究より
リハビリテーション(リハビリ)は術後の機能回復訓練と思われているが、近年は回復のための体力を事前に養う「術前リハ」が行われ始めている。たとえば、がんの手術前に術前リハを行うと術後の合併症が減り回復が早まる効果が期待できる。

たっぷり眠るだけで痩せる!米シカゴ大学の研究より
眠るだけで痩せます――。怪しげなダイエット本のようだが、まともな試験の報告。睡眠不足は過食や消費エネルギーの低下を招き、肥満につながることが知られている。ならば、十分に眠れば体重は減るだろうか。米シカゴ大学の研究チームがこの素朴な疑問を追究している。

#2
認知症の発症を確実に防ぐ方法はない。だが、世界の専門家がこれまでのエビデンスを調査分析した結果、リスクを減らし予防できる可能性が見えてきた。では何をすればいいのか。エビデンスが示す○×判定をご紹介しよう。

#1
家族も本人も認知症になったことを受け入れられない発症早期、症状が進み失禁やせん妄、徘徊への対応に振り回される中期……。介護する家族はじわじわと追い詰められ、逃げ場をなくす。介護で落とし穴にはまらないためのヒントはあるのか。現場をよく知るケアマネジャーと介護当事者に本音を聞いた。

認知症と腸内細菌の関係に注目、日本食と食後のコーヒーで予防を
認知症患者の腸内細菌には変化が生じている。注目されるのは、ヒトの腸内細菌の2~4割を占め、「日和見菌」といわれるバクテロイデス菌だ。

スーパースプレッダーになる人の特徴とは?基礎疾患ありでリスク増
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、感染者のなかでも特に感染を拡げる「スーパースプレッダー」の存在が知られている。こうした患者は、体内でのウイルスコピー数(ウイルスの量)が多く、しかもウイルスを外に排出する期間が長いので、知らず知らずのうちに感染拡大源になってしまう。

EDにL-アルギニン、高用量で2割が改善
およそ10年前のデータだが、日本やイタリアなど4カ国の男性(40~70代)を対象に行われた勃起障害(ED)の有病率調査で、中等~重症のEDを自覚している日本人男性は34.5%、3人に1人という高い割合だった。ED治療には、バイアグラなどのPDE5阻害薬が使われる。ただ、禁忌などで利用できない人も多く、効き目が薄い男性もいるため男性不妊の治療にも使われているL-アルギニン(L-ARG)をED治療に転用する試験が行われてきた。

ワクチン接種を決断する心理的要因は何か?3カ国で比較調査
日本でも、新型コロナウイルスワクチンのブースター接種が始まった。当初、オミクロン変異への有効性が疑問視されていたが、先行している英米からの報告では、追加接種で80~90%の入院抑制効果が期待できるようだ。対アルファ変異、デルタ変異ほどではないが、発症と感染予防効果も認められた。2回接種を済ませた方は、追加接種もご一考いただきたい。

高血圧なら大腸がんの便潜血検査を!男性は130/80でも要注意
高血圧を指摘されると脳・心血管疾患が心配だが、大腸がんも気にした方がいい。東京大学医学部附属病院・循環器内科の金子英弘氏らは、健診情報や診療明細情報のデータベース(JMDC)に蓄積される医療情報を利用し、血圧と大腸がんとの関係を解析した。

「かめない男」はメタボになる?新規発症率が2.2倍に
新潟大学などの研究グループは、以前から「咀嚼力」――ものを細かくかむ能力とメタボリックシンドローム(メタボ)との関係を調査している。

認知症の予防は「家事」で!高齢者で効果を確認
高齢化とともに有病者が増える「認知症」。わずか3年後の2025年、日本の65歳以上の5人に1人が認知症になると推計されている。現時点で認知症を根本的に治療する薬剤や手段はない。予防と進行抑制を徹底することが重要だ。

米でラップが自死を抑制、ロジックの「1-800-273-8255」
1-800-273-8255。米国版「いのちの電話(Life Line)」の番号をタイトルにしたラップをご存じだろうか。歌詞は死にたいと思い詰めている人の言葉に始まり、曲半ばから電話の向こうでそれに応える第三者の声が交じりあう。そして曲の終盤、ついに「生きたい、死にたくない」という言葉が引き出される。

入浴前は心穏やかに…脳卒中の「トリガーイベント」を減らす工夫
冬季は脳内出血など脳卒中が発症しやすい季節だ。特に入浴時は肌寒い浴室で血管がキュッと縮まり血圧が上昇するうえに、早く温まろうと熱めの湯に漬かると交感神経が優位になり急激に血圧が上昇。血管が破れる危険性が増す。

脳と心臓を守る「食スタイル」10カ条、米国心臓協会が提唱
昨年11月、米国心臓協会は「心血管の健康増進のためのガイダンス2021」を公表。科学的根拠に基づき、脳と心臓を守る健康的な食事スタイルを勧めている。それによると――。

HPVワクチン8年半ぶりに積極勧奨へ、子宮頸がん以外にも予防できるがんは?
厚生労働省は2021年11月26日付の健康局長通知で、HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの「積極勧奨差し控え」を廃止。およそ8年半続いた「定期接種だが積極的に勧奨はしない」という責任逃れの異常事態にようやく終止符が打たれた。

乳がん術後のリハビリ、怖がらずに早期から取り組むべき理由
がんの手術後は、肩関節が動かしにくくなる「拘縮」が生じることがある。痛みが怖くて肩関節をかばってしまうが、安静が過ぎると可動域がますます狭くなり、着替えや洗面、入浴など日常の動作や家事、仕事にも支障がでる。

コロナ禍で子どもの「神経性やせ症」が増加、小児科医に相談を
国立成育医療研究センターは、コロナ禍での子供の健康に関する調査を続けている。10月21日に公表された調査結果では、2020年度中に「神経性やせ症(神経性食欲不振)」が増加していることが報告された。

「蛋白尿」を放置してはダメ!脳-心-腎臓病やがんの可能性も
蛋白尿と聞くと「腎臓の病気」が思い浮かぶが、実は心筋梗塞や脳卒中、おまけにがんリスクも反映している。

老眼を目薬で改善!米食品医薬品局が世界初承認
一説によると、日本の老眼人口は総人口のおよそ半数の7000万人超だという。眼の老化は15歳前後から始まるが、一般に生活に支障が出てくるのは40歳以降だ。3人に1人が65歳以上の高齢者という現状からすれば、老眼人口の多さも驚く話ではない。

1人住まいの学生は「肥満リスク」が上昇、大阪大の研究より
1人暮らしはコンビニ弁当や外食に頼りがちで体重管理が難しい。単身赴任の中高年に限ったことかと思いきや、大学生でもリスクがあるようだ。大阪大学キャンパスライフ健康支援センターの研究グループは、2007~15年度に大阪大学に入学した学生2万6394人(男性1万7540人、女性8854人)の在学期間中の健診データから、入学時の居住形態と体重増加リスク(登録時から10%以上)と体格指数25以上の肥満リスクとの関連を検討している。
