井手ゆきえ
ワクチン接種を決断する心理的要因は何か?3カ国で比較調査
日本でも、新型コロナウイルスワクチンのブースター接種が始まった。当初、オミクロン変異への有効性が疑問視されていたが、先行している英米からの報告では、追加接種で80~90%の入院抑制効果が期待できるようだ。対アルファ変異、デルタ変異ほどではないが、発症と感染予防効果も認められた。2回接種を済ませた方は、追加接種もご一考いただきたい。

高血圧なら大腸がんの便潜血検査を!男性は130/80でも要注意
高血圧を指摘されると脳・心血管疾患が心配だが、大腸がんも気にした方がいい。東京大学医学部附属病院・循環器内科の金子英弘氏らは、健診情報や診療明細情報のデータベース(JMDC)に蓄積される医療情報を利用し、血圧と大腸がんとの関係を解析した。

「かめない男」はメタボになる?新規発症率が2.2倍に
新潟大学などの研究グループは、以前から「咀嚼力」――ものを細かくかむ能力とメタボリックシンドローム(メタボ)との関係を調査している。

認知症の予防は「家事」で!高齢者で効果を確認
高齢化とともに有病者が増える「認知症」。わずか3年後の2025年、日本の65歳以上の5人に1人が認知症になると推計されている。現時点で認知症を根本的に治療する薬剤や手段はない。予防と進行抑制を徹底することが重要だ。

米でラップが自死を抑制、ロジックの「1-800-273-8255」
1-800-273-8255。米国版「いのちの電話(Life Line)」の番号をタイトルにしたラップをご存じだろうか。歌詞は死にたいと思い詰めている人の言葉に始まり、曲半ばから電話の向こうでそれに応える第三者の声が交じりあう。そして曲の終盤、ついに「生きたい、死にたくない」という言葉が引き出される。

入浴前は心穏やかに…脳卒中の「トリガーイベント」を減らす工夫
冬季は脳内出血など脳卒中が発症しやすい季節だ。特に入浴時は肌寒い浴室で血管がキュッと縮まり血圧が上昇するうえに、早く温まろうと熱めの湯に漬かると交感神経が優位になり急激に血圧が上昇。血管が破れる危険性が増す。

脳と心臓を守る「食スタイル」10カ条、米国心臓協会が提唱
昨年11月、米国心臓協会は「心血管の健康増進のためのガイダンス2021」を公表。科学的根拠に基づき、脳と心臓を守る健康的な食事スタイルを勧めている。それによると――。

HPVワクチン8年半ぶりに積極勧奨へ、子宮頸がん以外にも予防できるがんは?
厚生労働省は2021年11月26日付の健康局長通知で、HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの「積極勧奨差し控え」を廃止。およそ8年半続いた「定期接種だが積極的に勧奨はしない」という責任逃れの異常事態にようやく終止符が打たれた。

乳がん術後のリハビリ、怖がらずに早期から取り組むべき理由
がんの手術後は、肩関節が動かしにくくなる「拘縮」が生じることがある。痛みが怖くて肩関節をかばってしまうが、安静が過ぎると可動域がますます狭くなり、着替えや洗面、入浴など日常の動作や家事、仕事にも支障がでる。

コロナ禍で子どもの「神経性やせ症」が増加、小児科医に相談を
国立成育医療研究センターは、コロナ禍での子供の健康に関する調査を続けている。10月21日に公表された調査結果では、2020年度中に「神経性やせ症(神経性食欲不振)」が増加していることが報告された。

「蛋白尿」を放置してはダメ!脳-心-腎臓病やがんの可能性も
蛋白尿と聞くと「腎臓の病気」が思い浮かぶが、実は心筋梗塞や脳卒中、おまけにがんリスクも反映している。

老眼を目薬で改善!米食品医薬品局が世界初承認
一説によると、日本の老眼人口は総人口のおよそ半数の7000万人超だという。眼の老化は15歳前後から始まるが、一般に生活に支障が出てくるのは40歳以降だ。3人に1人が65歳以上の高齢者という現状からすれば、老眼人口の多さも驚く話ではない。

1人住まいの学生は「肥満リスク」が上昇、大阪大の研究より
1人暮らしはコンビニ弁当や外食に頼りがちで体重管理が難しい。単身赴任の中高年に限ったことかと思いきや、大学生でもリスクがあるようだ。大阪大学キャンパスライフ健康支援センターの研究グループは、2007~15年度に大阪大学に入学した学生2万6394人(男性1万7540人、女性8854人)の在学期間中の健診データから、入学時の居住形態と体重増加リスク(登録時から10%以上)と体格指数25以上の肥満リスクとの関連を検討している。

腰痛対策に認知行動療法、「痛み」の見直しで効果
一説によると日本の40歳以上の男女、およそ3000万人は「腰痛持ち」だ。「痛み」は、けがや打撲による「侵害受容性の痛み」、神経に障害や炎症が起こって生じる「神経障害性の痛み」、そして「脳の誤作動による痛み」に大別される。

ブースター接種がイスラエルで効果上げる、誰が打つべきか
新型コロナワクチンの接種率が7割に迫る一方、2月に先行接種していた医療従事者への「ブースター接種」――3回目の接種が12月には始まりそうだ。ワクチン接種後、半年間で血液中に含まれる抗体(ウイルスに対抗する免疫の武器)価が、ピーク時の4分の1に下がるケースがあるためで、ブースター接種により抗体価が増える効果を期待できる。

睡眠薬の長期連用、更年期女性では効果なし?
夏の「睡眠負債」を過ごしやすい秋に取り戻したい場合、特に更年期の女性は薬に頼り過ぎないように気をつけたい。閉経前後の女性の多くは不眠症に悩まされがちだ。更年期症候群の一症状として簡単に睡眠薬を処方されるケースも少なくない。

「1日8000歩、時に速歩で」コロナの時代の健康術
新型コロナワクチンの接種が進み「新しい日常」も視野に入ってきた。ただし、ウイルスとの共存がしばらく続く以上、日々の健康管理が肝心だ。

乳がん検診、マンモ+超音波の有効性は?
ピンクリボン月間だ。日本では40歳以上の女性に2年ごとの乳がん検診が推奨されている。コロナ禍で、検診機会を逃さないよう気をつけたい。乳がん検診ではマンモグラフィー(マンモ:乳房エックス線撮影)が使われるが、乳房を挟む「痛い」イメージが先行して敬遠されがち。最近は、マンモと痛みがない超音波検査を組み合わせる自治体が増えてきた。

接種後ブレイクスルー感染、感染率は?重症化は?
新型コロナウイルスワクチンの接種が進み、今度は接種後の「ブレイクスルー感染」が話題になっている。ワクチン接種で先行しているイスラエルからの報告では、ファイザー/ビオンテック社のワクチン2回接種、7日以上を経過した後に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を発症、入院した152人について解析。内訳は人工呼吸器の装着が必要だった患者が38人、死亡は34人だった。

世界の高血圧症は過去30年間で倍増、日本の現状は…
世界の高血圧症の数は過去30年間に倍増。しかも半数は治療をしていないという。世界保健機関の調査から。同調査は、世界184カ国と地域で30~79歳の1億0400万人が参加した集団調査の統合解析で、収縮期血圧(上の血圧)140mmHg以上、拡張期血圧(下の血圧)90mmHg以上、または血圧を下げる薬を服用しているケースを「高血圧症」と定義し、有病率と治療率を調べた。
