
山崎 元
個人投資家に対して「このように運用したらいい」と筆者が勧めている手法を紹介する。その中で、リスク資産の4割を国内株式のインデックスファンドに投資することを勧めているが、「なぜ日本株を4割も持つのか?」という質問をよく受ける。その疑問にお答えしよう。

不適切な投資商品の営業に走る金融機関のセールスマンには、もっと高度なモラルを求めたくなるが、「顧客のニーズ」そのものに問題がある場合も少なくない。顧客側の不適切なニーズは、主に4つのパターンに分類できる。それぞれの典型例や解決策を解説する。

「老後資金2000万円問題」は、金融業界からすると結果的に大成功した「炎上商法」となったが、人々が金融機関から不適切な商品を購入したり、間違った知識を吹き込まれるリスクが高まっている。そこで、お金の問題に関心が高まる今こそ「マネー研修」を提案したい。その正しいやり方を伝授する。

関西電力に日本郵政・かんぽ生命保険・日本郵便、果ては日産自動車まで。近年、「常識的には辞めるだろう」と思われる不祥事企業の経営者がなかなか辞めなくなったという印象を持つ。それはなぜなのだろうか?

「週刊ダイヤモンド」(10月5日号)のメイン特集「銀行・証券断末魔」の表紙を見ると、バブル崩壊時よりも見通しが暗いことを感じさせる。しかし、今、金融に関わることは非常にエキサイティングでチャンスに溢れている面もある。その理由を解説しよう。

5月以降、4カ月連続で毎月分配型の投資信託が資金流入超になっているという。「毎月分配型には高齢者に合う適切なニーズが一定程度存在する」という金融関係者の言い訳に対して、これまで何度も批判を重ねてきたが、何度でも「適切なニーズ」などないと断言する。

日本郵政グループの経営は、収益が苦しい郵便事業をゆうちょ銀行やかんぽ生命などの金融事業で支える仕組みだが、銀行は構造不況業種に陥り、生命保険ビジネスも国内では成長を見込みにくい。今の経営体制を続けていると、結局、顧客のためにならない保険や投信の販売を加速することになるだろう。

長期金利ですらマイナス水準に突入している今、個人投資家はどのような資産運用を心がけたらいいのか。「プロ」である機関投資家が買いたくても買えない「鉄板」の運用商品の紹介や、株式の配当利回りを重視した投資の是非などについて解説する。

5年に一度行われる公的年金の財政検証の結果が発表となった。その読み解き方や注意すべきポイント、そしてその結果を受けて個人がどのように老後に備えるべきかについて、年代別に具体的な数字を交えて解説する。

就職情報サイト「リクナビ」を運営するリクルートキャリアに対して、就職活動に臨む学生の同意を得ずに「内定辞退率」の予測を企業に販売していた問題で、政府の個人情報保護委員会は8月26日に是正を求める勧告を出した。同委員会が勧告を出すのはこれが初めてだ。

配当利回りが高い「高配当利回り」の株式への注目が増しているようだ。筆者が勤める楽天証券に「トウシル」という投資情報サイトがあり、そのサイトの編集長によると、最近、「高配当」という言葉がタイトルにある記事のページビュー(PV)が目立って上がっているという。

かんぽ生命保険による不適切販売問題の拡大が止まらない。そうした中で私たちが取るべき対策は、一貫して変わらない。「郵便局では保険に入らない」と決めることだ。

生命保険の販売をめぐるかんぽ生命保険と日本郵便の不祥事は、経営責任に直結するか、それ以上の重大な問題だ。加えて大いに気になるのは、日本郵便の保険販売における「ノルマ」が問題の本質であるかのような認識が関係者や報道姿勢に見えることだ。しかし、ノルマ廃止で問題は解決しないはずだ。

米フェイスブックが打ち出した独自のデジタル通貨「リブラ」の方向性は、ビジネスとして正義だと考えるべきだ。送金や外国為替のようなサービスは大いに安くていい。消費者のためになるのだから、既存の金融機関と激しく競争すべきだ。

2020年4月から全国の小・中学校、高校で「キャリア・パスポート」というものが導入されるが、学生にも先生にも気の毒な話だ。これは「能率の悪い人事評価のママゴト」の手続きや、就職・転職のときにやらされる役に立たない「自己分析」と同じ代物だ。

転職を希望する若いビジネスパーソンから相談を受けた。「人材紹介会社のコンサルタントの指示通りに自己分析をしていたら、自分の強みや弱みが分からなくなった」という。ただ、転職は自分探しではないので自己分析は時間の無駄。研究すべき対象は別にあるのだ。

「老後2000万円報告書」の中で言及があった認知症高齢者に関する資産管理。成年後見制度の活用に期待したいところだが、うまく機能しているとは言い難い。その問題点を明かすとともに改善策3点を提案したい。

「老後2000万円報告書」問題にからめて年金を参議院選挙の争点にしたい野党と、無策のまま防戦一方の与党。現在の野党には、年金を選挙の争点とするだけの十分な準備がないと筆者は感じているが、それでも年金が争点となり得るとしたらどんな論点があるのかを検証した。

炎上が続く「老後2000万円報告書」騒動で最悪な対応をした麻生大臣だが、彼の立場に立って考えてみたところ、形勢を逆転する「いいこと」を思いついた。この作戦を実行すれば、金融の歴史にその名を刻むだろう。

「老後に約2000万円が必要」だという内容を盛り込んだ報告書が炎上している。しかし、報告書に対する批判は本来ピント外れであり、炎上の原因は麻生太郎財務大臣の初期対応が最悪だったことにある。
