
山崎 元
マーケットが荒れに荒れている。国内外でざっくり3割の株価下落ともなると、個人投資家が感じる痛みも相当だろう。特に、近年、新しく投資を始めた投資家の中には、初めて「投資の怖さ」を感じている人がいるかもしれない。それでも筆者の個人的な意見としては今、株式を売るほうがいいとは全く思っていない。その理由をお伝えしよう。

今週の相場は「コロナショック」と呼ばれるようになりそうな状況だ。株価は急落し、ドル円の為替レートは「リスクオフの円高」が急進、そして原油価格は暴落した。この状況において投資家が考えておくべき4つのことを整理しよう。

高齢者が抱えている資産運用の問題を解決するための組織的なサービスを立ち上げたい。筆者はそう考えている。そのときに立ちはだかるのが「投資顧問業者としての登録」という壁だ。そこで、利益相反のない、より多くの金融アドバイザーを生み出すために必要なことと、それを実現するための構想をお伝えしたい。

ビジネスの世界では、メインシナリオ「プランA」が実現しなかった場合を事前に想定した、別の行動計画「プランB」を持たなければならないとされている。しかし、新型肺炎への対応を見ていると、日本社会は「プランBの精神」がないのではないかと心配になる。それは個人の人生やマネーにおけるプランにおいても同様だ。

「日本経済新聞」がインサイダー取引規制に関連した異例とも思える記事を載せた。そこで今回は、個人投資家が同規制といかに付き合うべきか、大丈夫な3ケースと危ない3ケースを例示しながら考えてみたい。(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)

筆者が始めた、お金をテーマにしたオンラインサロンで特に話題になった「生活防衛資金」について今回は考えたい。これは生活費の支出に備えて、投資に回さずに預金などに置いておくお金のことを指す。ほぼゼロでいいという意見から、生活費の2年分が必要だとする意見まで幅があるが、筆者は「3カ月分」で十分だと考えている。その理由をお伝えしよう。

新型肺炎の感染が拡大を続けており、世界経済の減速リスクが懸念されている。日本経済に対する影響も小さくないはずだ。しかし、ビジネス的反射神経としては、新型肺炎の悪影響についてだけ考えるのではなく、「この影響で投資の条件が良くなる可能性はないか」と考えることも大切だ。

近年、同僚や友人・知人から退職金に関する相談が増えているが、心配になるケースが少なくない。そこで、金融機関のカモにされる前に知っておきたい、退職金運用の心得をお伝えしたい。決定版のアドバイスとして、四つの原則にまとめた。もちろん、退職金以外のお金の運用に関しても原則は同じだ。

『父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え』という書籍を紹介したい。「主張は骨太、手法は簡単」を特徴としており、「会社から自由になるためのお金を早く持つべきだ」というメッセージのはっきりした本だ。筆者がエッセンスだと思った2点をお伝えする。

環境(Environment)、「社会」(Social)、「(企業)統治」(Governance)の頭文字を取った「ESG」の観点を投資に反映させることが、世界的に流行しているという記事が、日本経済新聞に掲載されていた。では、投資家は資産運用にこのESGを持ち込むべきなのか。

ZOZOの創業者である前澤友作氏が、100万円を1000人に配るという総額10億円の「お年玉」企画が話題だ。100万円を12等分して当選者に毎月支給する形となるようで、前澤氏は、政府が最低限の生活に必要なお金を支給するという政策「ベーシックインカム」の実験だと公言している。しかし、筆者は、この「社会実験」はベーシックインカムの実験ではないと考える。その理由を解説しよう。

年初のテーマとして、今年の株価について考えたい。筆者は株高方向に振れると予想している。米国の株式市場を中心に、資本市場が次のバブルをつくる金融的なプロセスにあると思っているからだ。その理由を解説しよう。

最近、金融ビジネスの手数料がゼロに向かっているというニュースが多数報じられている。この現象が意味するところをどう読み解けばいいのか解説するとともに、金融業界にとっての「希望」についても考えてみよう。

「朝日新聞」の主要100社に対する調査によると、37社が社員の副業を容認する方向だという。しかし、副業は1980年代後半くらいの転職と同じ状況と推察され、副業をしている人は肩身が狭い思いをしているだろう。そこで副業の普及に向けて3つの提言をしたい。

高齢者の資産運用を巡っては、過大な手数料を払っているなど深刻な4つの問題を抱えている。この状況を変えるには、高齢者本人やそのサポート役に適切な金融のアドバイスをできる人材が必要だが、ファーストキャリアを退職したが、まだまだ働く元気がある「前期シニア人材」に任せてみるという構想を提案したい。

金融業界が恒久化されると考えていた「NISA(少額投資非課税制度)」が、「つみたてNISA」に一本化されそうな雲行きだ。節税投資枠を巡る制度に変化の可能性がある中、個人投資家としては今後の資産運用をどうすべきか。6ステップで順に考えを整理しよう。

金融庁のホームページで面白い求人案件を見つけた。投資教育に携わる職員を募集しているのだ。これは「社会や顧客に正しいことを伝えたい」と思っている金融関係者にとってはなかなか魅力的な仕事ではないか。そこで、筆者がこの求人で採用されたら投資教育で何を伝えるべきか、7つのポイントを挙げてみた。

米国のネット証券では、株式売買などの取引において「手数料ゼロ」を打ち出す動きが広がっている。日本でもSBI証券が3年以内に原則ゼロとする方針を打ち出した。個人投資家にとっては良いことのように思える「手数料ゼロ時代」の到来だが、実はその構造変化を正しく理解し、それに応じた投資戦略を採る必要があるのだ。

インターネット証券を傘下に持つSBIホールディングスと福島銀行が資本・業務提携を発表した。地銀と証券会社が関係を強化することは、互いに一定の合理性があるウィン・ウィンの関係といえる。ただし、その合理性は「期間限定」だろう。二つの観点からその理由を解説する。

萩生田光一文部科学相の「身の丈発言」は失言とされているが、大学入試における民間英語試験の活用という愚策を短期間で撤回に追い込んだことは「偉業」だ。大学経営とは卒業生や在学生に品質保証を与える「ブランドビジネス」といえる。文科省は、入学者の選考も含めて大学に画一性を求めるべきではない。
