
加藤 出
東京証券取引所のジャスダック市場に日本銀行の出資証券が上場されている。これは、一般の株式会社の株式に相当するものだ。黒田東彦氏が日銀総裁に就任した2013年3月にその価格が9万円台へ跳ね上がったのだが、その後は下落傾向が続き、今月は3.6万~3.7万円で売買されている。

「選挙の年」を迎えている欧州に出張中だ。そこで、各地で聞いた今後の政治上の注目点を整理してみよう。フランスでは5月7日、大統領選挙の決選投票でエマニュエル・マクロン氏が勝利した。そして、早くも目先の関心は来月の議会選挙に移っている。

大きめサイズのホットドッグとソフトドリンク飲み放題のセットが180円(税込み)。先日、神奈川県横浜市にある米系スーパーマーケットのコストコ・ホールセールの店舗に行ってみたところ、フードコートで売っていたこのセットの安さに驚かされた。

異次元金融緩和策を日本銀行はどのように収束させるのか。出口政策の詳細や、それに基づく収益シミュレーションの公表を日銀は拒んできた。「出口の議論を行うと緩和策の効果が低下する。時期尚早だ」という考えがその背景にある。

サンドイッチの価格が米国でニュースになった。米ワシントンのホワイトハウスの近くに、「Mirabelle」という最近人気の高級フレンチ・アメリカン・レストランがある。米紙「ワシントン・ポスト」(4月4日)は、その店のハムサンドイッチの価格がなんと26ドルになっていると報じた。

米連邦準備制度理事会(FRB)は昨年12月から今年3月にかけて、銀行間の短期金利を合計0.5%引き上げた。そして、世界の金融市場は米国の利上げ観測やその動向に大きく揺れてきた。

この4月4日で、黒田東彦総裁率いる日本銀行が実施している異次元金融緩和策は5年目に入る。4年前に日銀は「マネタリーベースを2年で2倍にして、インフレ率を2%に引き上げる」と宣言した。当時130兆円台だったマネタリーベースは、今や3.3倍の440兆円台に達した。

既存の金融業とフィンテック(金融とITを組み合わせた技術・サービス)が「ウィンウィン」の関係になることはない。今年1月、スイスで開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)の場で、ビットコインを取り扱うフィンテック企業ブロックチェーンのピーター・スミス最高経営責任者(CEO)は、そう警告した。

宅配便最大手のヤマト運輸が、宅配便の運賃引き上げを検討しているというニュースが大きな話題となっている。1面トップで報じた全国紙もあった。しかし、米国人がこの話を聞いたとしたら、「なぜそんな話題が新聞の1面に載るのか」と驚くと思われる。なぜなら、米国では荷物の配送料の値上げは日常茶飯事だからだ。

2月の終わりに米国のニューヨークとワシントンを回ってきた。日本で予想していた以上に、ドナルド・トランプ米大統領をめぐる米国内の分裂は激しい状態にあった。

第255回
「なぜ中央銀行には独立性が必要なのか?」という質問を最近マスコミ関係者からよく受ける。衆議院選挙の争点に日本銀行の独立性が挙げられているからだ。中央銀行の独立性の当初の意義としては、政府の資金調達からの分離が挙げられる。日銀の設立経緯もそれだ。

第251回
香港の住宅価格は2007年以降64%も上昇した。中国本土からの投資資金に加え、FRBの“QE”の影響などによる海外のホットマネー流入が香港の資産市場を過熱させている。

第250回
特例公債法案が成立しないと日本版「財政の崖」が発生するのではないかと海外の金融市場関係者も関心を寄せている。10月下旬にシンガポールに出張したが、現地の市場関係者の目には、機能不全を起こして何も決められない日本の政府・議会はかなりお粗末と映っているようだった。

第249回
中国は13億人を超える人々が住む社会なので、連日のように大きな事件が起きる。10月7日までの8連休に高速道路の事故で死亡した人はなんと794人に及んだ。昨年7月に高速鉄道で40人が亡くなったが、中国ではそれに匹敵する大きな事件が頻繁に発生しており、マスメディアを賑わせている。

第248回
米国で雇用の「2極分化」が顕著になっている。ニューヨーク連銀のエコノミストが今月発表した論文は、米国における業種を、ハイスキル、アッパー・ミドルスキル、ローワー・ミドルスキル、ローワースキルに分類して、1980年から2010年までの変化を分析している。

第247回
民間の年間平均給与の推移を見てみよう(国税庁調べ)。バブル経済前夜の1986年は362.6万円だったが、バブルピーク期の90年には425.2万円に上昇した。その後、経済は下降線をたどるが、平均給与は97年に過去最高の467.3万円を記録。そこから下落トレンドに入り、昨年は409万円だった。

第246回
中国の経済誌「第一財経周刊」10月8日号は、今年のブランドイメージランキングを掲載した。中国で企業に勤める男女3143人に行った調査結果だ。内容から判断すると、調査時期は、日本政府が尖閣諸島を国有化する前だったのではないかと思われる。

第245回
安倍晋三氏が自民党総裁に選ばれた。次の臨時国会中にもし解散となれば自民党政権が復活し、同氏が総理大臣となる可能性は高い。安倍氏は9月15日の日本テレビの番組で「世界では金融政策が重要な政策の柱になっている。

第244回
「重大な懸念」。バーナンキFRB議長は、8月末の講演で米国の労働市場の改善が遅いことに対する心配を、最大限の言葉で表した。9月13日のFOMCでFRBは、MBSをオープンエンド方式で毎月400億ドル購入する大規模資産購入策を決定した。

第243回
日本政府が9月11日に尖閣諸島国有化を決定する数日前まで上海にいた。上海の街中では反日的ムードは全く感じられなかった。中国の代表的な経済雑誌「財経」(9月3日号)も社説で冷静な議論を示していた。
