窪田順生
平昌五輪を巡る報道にインチキが散見される。日本はメダル量産国ではないのに、見出しに「メダル量産」の文字が踊り、競技人口が少ない種目なのに「戦力が厚みを増している」との解説も。戦中の大本営発表にそっくりな報道に慢心するばかりでは、不足している競技人口の増加や選手サポート体制強化という、本当の量産国になるために必要な課題を見えなくさせる。

「日本は退屈」――欧米人アンケートの衝撃結果に、観光庁が動き出した。特設サイトをつくり、PR動画を用意したのだが、これで本当に「日本は面白い」と思ってもらえるだろうか?

小泉今日子さんの「不倫宣言」が波紋を呼んでいる。企業経営においても、「いずれバレる不祥事」を隠蔽しようと腐心する経営者が多いが、これは逆効果。キョンキョンの不祥事対応に企業経営者も学ぶべきだ。

大きく社会を騒がせている「はれのひ」と「コインチェック」。事件の重大さもさることながら、お粗末すぎる謝罪会見が火に油をそそぐ結果となった。危機管理のプロにアドバイスをもらった形跡が見られるにも関わらず、なぜこんな大失敗をしでかしたのか。その根底には「妄想」に近い、傲慢な思い違いがある。

韓国で文在寅大統領肝いりのアイスホッケー「南北合同チーム」が物議をかもしているが、実は日本でも事情は似たり寄ったり。五輪をスポーツイベントではなく、「国威を見せつけるための政治イベント」として捉えている人が多いからだ。これは韓国や中国、旧ソ連圏などと同様に、日本人が今でも抱えている醜悪な考え方である。

熊本県が「くまモン」の使用権を海外企業に解放したことを巡って、地元企業から大ブーイングが起きている。確かに地元企業にとっては大損失にも見えるが、これは「くまモン」がディズニーの「ミッキーマウス」のように、世界レベルの人気キャラクターになれるチャンスでもある。

成人式当日に逃げて新成人たちをパニックに陥れた「はれのひ」。しかし、着物業界の構造や、“ボッタクリ体質”を考えれば、「はれのひ」のような悪質業者が生まれたことに何の不思議もない。

マスコミが連日垂れ流す貴乃花親方バッシング。まるで集団リンチのような暴行事件そのものよりも、貴乃花親方の言動の方がはるかに問題だ、とでもいうような風潮が出来上がってしまっている。ここには、日本社会が蝕まれている重大な「病」が潜んでいる。

14センチもの亀裂を見逃したまま運転し、大惨事の危険すらあった「のぞみ」の重大インシデント。なぜ安全が軽視されてしまったのか。その元凶は、新幹線が世界に誇る「定時運行」にあるのではないだろうか。

富岡八幡宮の殺人事件で、容疑者による、関係者やマスコミに宛てた長文の遺書が話題となっている。「怨霊」「祟り」など、真に受け難い文言が書かれているが、事件の舞台が神社である以上、これを「頭のおかしな容疑者の独り言」として片付けることは許されない。

「内々に処理するつもりだったが、ネット掲示板の書き込みがあったので公表することに」――経団連会長の出身企業・東レの正直すぎるカミングアウトに注目が集まっている。ネット書き込みからの不正公表がスタンダードにならざるを得ないほか、内部告発も増えるのではないかと考えられるからだ。

「安倍晋三記念小学校」は間違いだった――朝日新聞がまたもや真っ赤な嘘を報道したことが明らかになった。しかし、報道が歪んでいるのは朝日だけではない。「愛国マスコミ」の急先鋒である産経新聞だって、朝日と似たような間違いを犯してきたからだ。

フジサンケイグループや冷凍餃子最大手の味の素などがじわりと仕掛け始めた餃子ブーム。実は、餃子は外国人にウケる要素も揃っていて、ラーメンを超える大ブレイクを果たす可能性もある。

小池百合子都知事が、希望の党代表を辞任した。「都政に専念することで挽回を図る」との見立てが報じられているが、背景はそう単純ではない。小池氏のブランディングの「一丁目一番地」とも言える受動喫煙防止を戦場に、自民党の山東昭子議員という“強敵”が現れたからだ。

産経新聞ウェブ版の記事に朝日新聞が噛み付く騒ぎが起きている。愛国と反日、もともと主張が正反対な両社は最近、どんどん内容が先鋭化している感がある。報道機関の枠を超えて言説が暴走すると、社会に大きな危険を与えることにもつながりかねない。

3大銀行が合計で3.2万人分の業務を削減ーー。こんなニュースを受けて、また銀行に大リストラ時代が到来した!と大騒ぎになっているが、今から16年前にも同じようなニュースが出ていた。懲りない銀行の何が問題なのだろうか?

毎年、台風被害に遭う宿命を持つ日本人。台湾や米国にも「台風休暇」が存在するが、日本人は相変わらず鬼の形相で遅延する超満員電車に乗ったり、暴風雨の中でも危険を顧みず車で出勤を試みたりする。この狂気にも似た勤勉性を治さない限り、働き方改革は実現しない。

ベテラン社員たちから「40年以上前から不正があった」など、驚きの証言が出ている神戸製鋼所。ちょうどその時代、不正につながったのではないかと思われる、神戸製鋼とソ連(当時)との密接な関わりがあった。

神戸製鋼所で相次いで不正が発覚し、騒動になっている。三菱自動車や東芝など、日本を代表する基幹産業の名門企業で、なぜこうした「不正ドミノ」が発生するのか?その根底には、ある共通した組織の病がある。

家庭内で人知れず受動喫煙に苦しんでいたり、虐待をされている子どもは大勢いる。しかし、声を上げられない彼らに代わって法律や条例で保護しようという動きが出るたびに、左翼マスコミからは「監視社会だ」「ファシズムだ」との反対意見が出てくる。
