窪田順生
内政が行き詰まったとき、為政者たちは安全保障ネタに食いつく。これは古今東西、あらゆる国家で観察されてきた真実だ。今回勃発した朝鮮半島有事も、この視点に立って考えると、金正恩氏やトランプ大統領、そして安倍首相のホンネが見えてくる。

山本幸三・地方創生担当大臣の「学芸員はがん」発言が炎上している。ただ、全国で文化財が存亡の危機に直面しているのは事実。観光活用を真剣に考えてこなかった国や文部科学省のありようにこそ、真の問題が潜んでいる。

北海道産ジャガイモ不足でカルビーとコイケヤのポテチが販売休止――。世を騒がせているこのニュース、細かくチェックしてみれば、実はポテチメーカーで「ジャガイモ不足」を声高に喧伝しているのはカルビーのみだということが分かる。これは一体、どういうことなのだろうか?

入園者数が増えたUSJは明、減ったTDRは暗ーー。金太郎飴のようにソックリな記事が出ているが、単純にお客が増えれば「明」、減れば「暗」と決めつけられるほど、実態は簡単ではない。

森友学園騒動が、民進党の辻元清美氏にまたもやブーメランとして突き刺さっている。なぜ民進党や辻元氏は、繰り返しブーメラン現象を引き起こすのか。彼らの戦略を分析してみると、1つの大きな誤りに気づく。

東京都の百条委員会に証人として出席した、石原慎太郎、浜渦武生両氏。責任逃れ発言に落胆したとの声がもっぱらだが、豊洲移転案の経緯や臨海副都心開発の歴史を振り返れば、石原氏の言うような「都知事でさえ逆らえない大きな流れ」が実際にあったことが分かる。

第16回
宅配業界の問題が世間を賑わせているが、「アマゾン=ヤマト危機の原因」という構図が世に広まれば広まるほど、ヤマトがもうひとつ抱えている「爆弾」から世間の目がそれていく。その爆弾とは、「横浜」だ。

建物内禁煙にしたら、小さな飲食店は本当に潰れるのか――。受動喫煙防止法案を巡って、反対派は小規模飲食店の存続危機を理由にしているが、世界の禁煙先進国を見ると、この攻め方はいかにもまずい手だということが分かる。

第13回
民進党が勢いよく追及している、森友学園の「右翼教育」問題。確かに異様な教育方針であるのは間違いないが、今のままの追及路線を民進党が突っ走ってしまうと、いずれ自滅する。この問題は、民進党が特大「ブーメラン」に被弾する危険性をはらんでいるからだ。

第12回
清水富美加さんの出家騒動と、幸福の科学側の主張が連日、芸能マスコミを騒がせている。芸能業界からのコメントは批判的なものが多いが、これを情報戦として見ると、芸能界のブラックぶりを主張する幸福の科学の戦略は、かなりいい線を行っていると言える。

第11回
いきなり7000億円もの巨額損失を出した東芝の原発事業。経営陣がどこで何を間違えたのか、さまざまな専門家が分析を試みている。ここでは、経営陣のものの考え方がダイレクトに出る企業の「広報活動」から、東芝経営陣の原発事業に対する歪んだスタンスを分析してみよう。

アパホテルの客室に置いてある元谷外志雄会長の南京事件否定本が、中国で大炎上している。内容からして炎上は当然、と考えるのは早計だ。今回の出来事は中国政府も絡んだ、南京事件を巡る「国際情報戦」に利用された可能性があるのだ。(ノンフィクションライター 窪田順生)

第9回
アパホテルの客室に置いてある元谷外志雄会長の南京事件否定本が、中国で大炎上している。内容からして炎上は当然、と考えるのは早計だ。今回の出来事は中国政府も絡んだ、南京事件を巡る「国際情報戦」に利用された可能性があるのだ。

第8回
新年早々、カジノ関連で「政治的意図」がぷんぷん臭う記事が出た。暴力団が暗躍するとして、警察当局が警戒を強めているというニュースだ。しかし、周辺事情を丹念に読み解けば、実はOBの天下り先不足に困っている警察がカジノを“活用”しようとしているのではないか、と考えられる。

第7回
10月に厚生労働省が出した「受動喫煙防止の強化案」が大論争を巻き起こしている。情報戦を丹念に読み解くと、これは、受動喫煙対策という「原則論」からではなく、IOCとWHOという2つの国際機関に日本政府が屈したから、という構図が見て取れる。

第6回
最後まで大モメした「カジノ法案」。しかし、この法案の真意が国民に正確に伝わっているとは思えない。マスコミが過激な言葉を使って世論を誘導したことによって、日本人は「既にあるギャンブル問題」を直視しないまま、歪んだ世論形成が行われてしまった。

第5回
「ファブリーズvsくさや」CMが、くさや生産地からの猛抗議を受け、わずか2週間で打ち切りとなった。このほかにも、炎上→中止に追い込まれるCMやサービスが次々と出てきている。企業広報の定石は「非がないなら正当性を主張せよ」。だが、この定石にしがみつくと損をする時代になってきた。

第4回
日本テレビがレディー・ガガ氏の発言を「意訳」しすぎて炎上した。メディアが外国語を「超訳」して、真意とはかけ離れた報道をすることは珍しくない。その背景には、「憎悪」「怒り」「不安」を煽らないと視聴率や部数が伸びないという、業界の背負う“業”のようなものがある。

トランプ大統領誕生に世界中が驚いているが、メディア戦術の側面から見れば、むしろこの結果は妥当だ。米マスコミがヒラリー擁護をすればするほど、トランプの支持者が増えたカラクリを解説する。

第3回
はごろもフーズのシーチキンにゴキブリ混入が発覚した。2014年12月、ペヤングの焼きそばにゴキブリ混入が発覚し、半年の長きに渡って販売中止となった事件は記憶に新しいが、両ケースとも、不祥事そのものに加えて、お粗末な広報対応がネット上の「炎上」に油を注いだ。
