窪田順生
日馬富士暴行事件では被害者だった貴ノ岩が、一転加害者となり引退に追い込まれた問題に、識者たちから「心の弱さ」「暴力の連鎖」といったコメントが寄せられている。だが、事態はこの手の話で簡単に片付けられていいものではない。

政府がゴリ押ししている入管法改正案が通れば、外国人労働者が大勢日本に入ってくる。しかし、低賃金・長時間労働の劣悪業界に彼らを送り込むことは、徴用工問題や慰安婦問題に匹敵する、新たな人権問題を引き起こしかねない。

検察や日産がリークを連発する一方、ゴーンサイドからの情報がほとんどない現在、あのウォール・ストリート・ジャーナルですら、ゴーンはハメられた的な「陰謀論」を展開する事態になっている。さらに驚くのは、永田町界隈でまことしやかにささやかれる仰天の陰謀論だ。

瞬く間に世界を駆け巡った「ゴーン逮捕」の一報。記者会見で西川廣人社長はクーデターを否定したが、日産の過去の歴史をひもとけば、相次ぐクーデターはもちろん、会社から金をむしりとって豪遊し、世間を騒がせた労組会長など、ゴーン氏を彷彿とさせる人物も登場する。これが日産のカルチャーなのである。

耳慣れない病にかかっていると診断され、4時間待ちに耐えてようやく会えた専門医は、PCばかりに目を向けて、自分を見てくれない…。患者の心が折れる瞬間だが、医師も人手不足の中で必死に仕事をこなしている。こうした構造的問題を解決してくれるのが「AIホスピタル」。実は、日本が世界最先端の開発を進めているシステムだ。

一部で「移民政策」ともいわれている入管法改正案が成立しそうだが、この政策は後世に計り知れない悪影響を与えかねない。実は100年前の日本でも同様の事態は発生しており、それは今日にまで在日朝鮮人差別問題として尾を引いている。

今年も暴徒化した若者たちが続出した渋谷のハロウィン。「コンビニで酒を売るな」「全面中止にしろ」と極論を展開する人もいるが、もっと簡単で効果も見込める良案がある。

安倍政権が進めている「外国人労働者の受け入れ拡大」は、どう見ても「移民政策」である。人手不足にあえぐ経営者たちは大喜びするだろうが、移民が増えれば若者の賃金は上がらないまま。「移民政策」という本当のことを国民に伝えず、「外国人労働者」とマイルドな表現をして移民政策が進んで行くのを許していいのだろうか?

わずか15歳の新星、Koki,さんを起用した、日本新聞協会の全面広告が波紋を呼んでいる。タイミング的に、新聞の軽減税率という既得権益を守りたいがためのアピールであることは一目瞭然。諸外国のメディアに比べて、肥大化しすぎた所帯をどうにか維持しようと目論む日本の新聞社には、権力を震え上がらせる記事は期待できない。

せっかく説明しようと会見を開催したのに、ふたを開けてみれば大炎上し、疑惑が再燃…。加計孝太郎氏の記者会見は、マスコミ対応の失敗事例のモデルケースだった。不祥事に悩む企業や組織の方はぜひ、このケースから多くを学んでいただきたい。

本庶祐・京都大学特別教授のノーベル賞受賞に日本中が沸く中、にわかに免疫療法が誉め称えられるという現象が起きている。無論、インチキな免疫療法もあるが、エビデンスに固執するがあまりに、免疫療法の持つ可能性を否定してきた日本の医療界は、大きな問題を抱えているのではないか。

電撃引退を表明した貴乃花親方vs日本相撲協会のバトルが新たな展開を迎えた。相撲協会が圧力をかけたか否か、真相はまだ明らかになっていないが、相撲協会の過去の行状を振り返ると、硬直的な組織にありがちな「ネガティブ報道や告発はすべて事実無根で押し通す」という悪しきカルチャーを持っているのは事実だ。

モスバーガーが起こした28人食中毒事件が、驚くほど報道されていない。3年前、異物混入騒動で連日、ボコボコに叩かれたマクドナルドとは対照的である。このように、驚くような偏向報道は、政治やイデオロギーがらみだけでなく、企業報道の現場でも当然のように行われている。

リオ市民を激怒させた、ブラジル国立民族博物館の火災。リオ五輪で財政難となったため、必要な消火設備の整備などを怠ったとされている。これは日本も対岸の火事ではない。実は、五輪景気で潤うのは開催されるまで。開催後は不景気に陥るというのは、過去の開催地の例を見ても「常識」なのだ。

選手・コーチ側と塚原会長夫妻側の争いが、泥仕合の様相を呈してきた日本体操協会のパワハラ問題。実は両者は“似たもの同士”で、その根底には日本のスポーツ界に脈々と流れる「スポ根思想」が横たわっている。

右肩上がりの時代だからこそ通用した、「我慢して頑張れば報われる」という価値観は、頑張っても報われそうにない今の若者にはもはや通用しない。にもかかわらず、この古い理論を、相も変わらず振りかざすオッサン世代が後を絶たない。

安倍首相のスキャンダルは徹底的に叩く一方で、野党議員の疑惑はスルーするという、マスコミ各社のあからさまな偏向報道を批判する声が高まっている。実は日本のマスコミは終戦後、GHQから「中立公正」よりも「悪との戦い」を旗印にせよと刷り込まれて誕生した。この歴史をひもとけば、なぜマスコミ各社が執拗に「反安倍」に偏るのかが見えてくる。

日本ボクシング連盟の山根会長が辞任をした。コワモテで裏社会とつながり、業界を制圧する、いわゆる「ドン」である。平成の世にあって、なぜ彼らがまだ活躍できているのか?その理由を読み解くカギは「五輪」と「巨大利権」である。

ヤマトホールディングスの子会社で、顧客への水増し請求が問題になっている。この一件のみならず、近年は神戸製鋼や東芝、電通など、日本を代表する大企業で粉飾や水増し請求などの不正が次々に発覚している。そこには、昭和型企業理念をいまだに引きずっている日本企業に共通する闇がある。

災害級猛暑の中で、熱中症にかかる子どもが続出している。こんな事態になってなお、なぜ日本人は根性論から抜け出せないのか。旧日本軍に蔓延していた「狂った考え」が、今なお日本社会全体を覆っているからではないだろうか。
