
大江英樹
業界最大手・野村證券が店舗の2割を閉鎖すると報道された。しかし、ネット証券がいかに便利になろうとも、対面型販売を好む顧客は一定数存在する。

先日、マリナーズのイチロー選手が引退した。日本で9年、米国で19年の通算28年の現役生活。その間、常に超一流の選手で居続けたことは本当に素晴らしいことだ。だが、それだけではない。報酬の受け取り方も実に素晴らしいのだ。

確定拠出年金の加入者が690万人に達し、重要な老後資産形成制度になってきた。しかし、その運用の中身を見ると、定期預金や保険商品などが半分を占めている。しかも、自分で商品を選んでいない人が多いのだ。

家計の見直しで、「格安スマホ」への変更がしばしば話題となる。料金面ではかなり安くなるのだが、なかなか容易には変更できないようだ。その理由は行動経済学でいう「現状維持バイアス」のためだ。

サラリーマンの多くは、「われわれは、しょせんサラリーマンで決まった給料しかもらえないのだから、お金持ちになれるわけがない」と思っている。ところが、“億り人”の中には意外とサラリーマンが多いのだ。

一般的に、罰金やペナルティーは、社会において犯罪や違反行為が起きないようにするための“抑止効果”として使われる。しかし、そのやり方を間違えると、抑止どころか、逆に増えてしまうことにもなりかねない。

FXの本質を正しく理解した上で、収益を上げようというのであればいいが、よく分からないままに取引を始めようとする人が少なからずいる。FXはあくまで投機。注意が必要だ。

ソフトバンクとヤフーが大株主の「PayPay」が100億円キャンペーンを実施した。金額が大きくインパクトがあったため、あっという間に終了してしまったが、その背後には、ある思惑が隠されていた。

年末ジャンボ宝くじの発売期間がまもなく終了を迎える。少しの金額で大きな夢を買えるので、買っている読者も少なくないだろう。だが、行動経済学的に見れば、宝くじと保険はいくつもの共通点がある。

10月以降、株価が世界的に弱含みで推移しているが、少し潮目が変わってきたかもしれない。そうした下落相場が続くなら、「ドルコスト平均法」を使った投資は有効な投資方法となる。

投資信託のタイプとして「インデックスファンド」と「アクティブファンド」という分類があることはよく知られている。ところが、これらの違いを正確に理解している人は意外に少なく、勘違いをしていることも多い。

多くの企業において、日常業務とは別に、さまざまな社内プロジェクトを立ち上げることがある。しかし、放っておくと社内はプロジェクトだらけになってしまいがちだ。その理由を探るとともに、対策について見ていくことにする。

株式投資において、自分が買った値段を気にするあまり、買った後に下がってもなかなか損切りすることができず、損失を拡大させてしまうということはよくあること。なぜこういうことになってしまうのか、行動経済学の観点から考えた。

投資信託には「基準価額」という値段のようなものがある。しかし、通常のモノの値段とは大きく違うにもかかわらず、それを基準に購入するのは全くのナンセンスだ。

9月3日、安倍晋三首相は、働き方改革の第2弾として「生涯現役時代の雇用改革を断行したい」と発言した。シニア世代の働き方と年金という観点から考えると、今後の方向性を明らかに示唆している。と同時に、どうやら多くの誤解もあるようだ。

投資信託の中に「テーマ型」と言われるものがある。例えば「フィンテック」「社会貢献」「オリンピック」といったテーマを通じ、特定の業界や企業に投資をするというものだ。しかし、はやっているからといって買うべきではない。

株式投資をしていて、保有している株が下落したとき、多くの人は下がった価格でさらに買い増す「ナンピン買い」をしがちだ。だが多くの場合、失敗に終わることが多い。その理由について行動経済学の観点から考えてみる。

2013年以降続いた大胆な金融緩和政策と、最近の政策の傾向を見ていると、心理学や行動経済学の面から非常に興味深いものが見えてくる。一つは「プラシーボ効果」、そしてもう一つが「サンクコスト」だ。

経済学の概念に「サンクコスト」という言葉がある。日本語では「埋没費用」と言って、既に払ってしまったので、取り戻すことができない費用のことを言う。多くの場合、これにこだわることで損失が大きくなってしまうから注意が必要だ。

「子どもの入学資金は学資保険」とか「老後の備えは個人年金保険」といった具合に、目的別にお金を運用したり、金融商品を購入したりしましょうなどと勧誘してくる金融機関は少なくない。しかし、こうしたセールストークに乗ってはいけない。
