
土田陽介
EUは8年以上にわたったギリシャへの金融支援を、8月下旬についに終了する。それはEUとギリシャ双方にとって望ましい状況をもたらす。とはいえ、ギリシャ財政の見通しは引き続き厳しい。事後のセーフティネットは容易されているとはいえ、本当に大丈夫なのか。

フランス大統領にマクロン氏が就任してから、今年5月で1年が経過した。この間、痛みを伴う経済改革を推し進めてきたが、有識者の評価はおおむね好評で、支持率も下げ止まっている。フランス国民はなぜマクロン改革を受け入れているのか。

欧州中央銀行(ECB)は量的緩和政策に相当する資産買い取りプログラムを年内で終了すると発表した。いよいよ欧州にも「出口」が見えてきたわけだが、最大の焦点となる「利上げ」はいつから始まるのか。金融政策の背後では、複雑な思惑が交錯している。

ロシア大統領選挙では、大方の予想通りプーチン氏が勝利した。ロシアにおけるプーチン氏の支持は引き続き圧倒的であり、リーダーシップには揺るぎないものがある。しかし経済面においては、プーチン氏の最後の任期は「斜陽」を体現するものになりそうだ。

欧州主要国で続いた総選挙のフィナーレとして注目されたイタリア総選挙では、ポピュリズム政党が大躍進した。これにより、新政権下で不良債権問題の改善が先送りされる公算が大きくなった。世界的な金融危機の足音は再び聞こえるのか。

2010年、15年に世界の金融市場に激震を起こしたギリシャ債務問題。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」ではないが、今や日本人のギリシャ情勢への関心はめっきり薄れた。しかし、2018年はあの危機が再燃するリスクもある。現状と課題を改めて分析しよう。

昨年の国民投票でEUからの離脱が決定した英国。英国とEU双方の主張が交錯する中で、離脱に関する交渉は一向に進んでいない。そんななか、離脱交渉をめぐる英国の「崖っぷちシナリオ」なるものまで囁かれ始めた。ブレグジットショックは再来するのか。
