ヤニス・バルファキス
仮想現実空間「メタバース」に入れ込むフェイスブック創業者のザッカーバーグ氏。社名もメタに変更し、私たちに対して巨大な力を得ようとしている。2500年前のソクラテスの警告を今こそ思い起こすべきだと筆者は説く。

コロナ危機を奇貨として、西側諸国は気候変動対策を加速できたはずだった。しかし欧米の指導層は、違う危機を誇張するあまり、その機会を逸してしまったのかもしれない。

コロナ禍でのマネー膨張とインフレ懸念の高まりを受けて、各国中央銀行はどう動くべきなのか。ギリシャ元財務相の筆者は、量的緩和の継続と利上げをセットにした「サステイナブルな金融引き締め」を提唱します。

米英豪の新たな安保枠組み「AUKUS(オーカス)」を巡るフランスの米国に対する報復行為は、しょせん茶番だったと筆者は振り返る。欧州の独立を犠牲にして欧州の支配階級が特権を享受している限り、欧州は米国から屈辱を受け続けるという。

『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』の著者バルファキス元ギリシャ財務相による連載。今回のテーマは、名作SFドラマ「スタートレック」から読み解く米国社会の自己矛盾です。帝国主義と不干渉主義が混在し続けている訳とは?

中央銀行によるデジタル通貨発行は、銀行家や超富裕層の支配からマネーを解き放ち、「金のなる木」を人々や地球環境に奉仕させる良法だと筆者は指摘します。

かつて封建主義が資本主義によって一掃されたように、今日の資本主義も「テクノロジー封建主義」という新たな経済様式によって覆されつつある。

コロナ禍で積極財政が主流になる中、緊縮政策は時代遅れになったようにみえるが、それは錯覚だと筆者は言う。権力者が大衆に不人気の緊縮政策を好む背景には「隠された狙い」があると指摘する。

トランプ氏が危険な大統領だった理由は、科学を偽装した経済学を悪用したからだと筆者は言う。そして、そのきっかけを与えたのは、バイデン新政権に名を連ねる経済専門家たちである。

持てる者と持たざる者の格差が広がる主因は努力の差ではない。「富の再分配」のルール作りこそ急務であり、そのヒントは2人のルーズベルト大統領の功績にあると筆者は説く。

今夏、ポスト資本主義経済の到来を告げる決定的瞬間が訪れた。コロナ不況下の株高だ。歴史上初めて金融資本家が実体経済に関心を示さなくなったと筆者は指摘する。

コロナ危機克服に向けて巨額の復興基金案で合意した欧州連合(EU)。表向きは結束力の強化を示したように見えるが、筆者の見立ては真逆だ。特に心配なのは、EUとドイツ労働者の間に埋め込まれた致命的な対立の芽だという。

コロナ禍を受けて、階級闘争が激化している。熾烈さが目立つのは米中だが、資本家による「無駄な搾取」と市民の「深い絶望」という意味で悲劇に陥るのは欧州だと筆者は説く。

コロナ禍で一段と浮き彫りになった政治の寒々しい現実。2020年代の新たなファシストたちは権力を掌握するために政権に入る必要すらなくなりそうだと筆者は警鐘を鳴らす。

第15回
不況になると、どんな「ドミノ倒し」が起きるのか?
ブレイディみかこ氏が「近年、最も圧倒された本」と評し、佐藤優氏が「金融工学の真髄、格差問題の本質がこの本を読めばよくわかる」と絶賛、25ヵ国で続々刊行の世界的ベストセラー『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』(ヤニス・バルファキス著、関美和訳)から、ハイライトを紹介します。

新型コロナ感染拡大に伴う経済的打撃に直面している欧州では、EUの基本概念である「連帯」をお題目とする南欧救済が議論されている。しかし、欧州に必要なのは「連帯」ではないと筆者は説く。

新型コロナウイルスの感染が急速に拡大する欧州。「バズーカ」と形容されるほどの大規模経済対策が発動されるとの期待が高まっているが、ギリシャ元財務相の筆者はせいぜい「水鉄砲」程度と冷ややかだ。

2020年のブレグジットと1971年のニクソン・ショックには共通項があるとバルファキス元ギリシャ財務相は指摘する。それは、持続不可能なものは何であれ、最終的にはその崩壊をもたらす政治的仲介役を見つけることだという。

トランプ大統領とその取り巻きは、スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんらリベラルな反対勢力が分かっていないことを理解しているように見える。だが、それを認めれば、自らが存続できなくなる。

資本主義が売買できる株式という武器を手にしたのは1599年のこと。ランティエ(金利生活者)資本主義の過ちを正すためには、そこまで立ち戻って仕組みを再考する必要があるとバルファキス氏は説く。
