2021.8.29
新日本酒紀行「陣屋」
韓流ブームになる30年も前から、マッコリに注目した蔵元がいた。みちのくの玄関口、福島県白河市の有賀醸造の有賀義裕さんだ。酒造りの技術を生かし、酒質を設計。非加熱でフレッシュな生酒、爽やかな発泡性、きれのいい酸味、低アルコールで辛口、…
酒食ジャーナリスト
日本古来の食の良さを啓蒙。著書に『厳選日本酒手帖』(世界文化社)、『ゼロから分かる!図解日本酒入門』(世界文化社)など。
2021.8.29
韓流ブームになる30年も前から、マッコリに注目した蔵元がいた。みちのくの玄関口、福島県白河市の有賀醸造の有賀義裕さんだ。酒造りの技術を生かし、酒質を設計。非加熱でフレッシュな生酒、爽やかな発泡性、きれのいい酸味、低アルコールで辛口、…
2021.8.22
米を0.85%まで磨いた零響(れいきょう)は、221日間、精米機を稼働させて醸した酒だ。「自分が飲んでみたかった」と新澤醸造店5代目の新澤巖夫さん。赤字続きで廃業寸前だった実家の蔵から、東京農業大学へ進学し、新聞配達をしながら醸造学を必死…
2021.8.8
今年7月、神奈川県で14蔵目の酒蔵が誕生した。銘柄は「HINEMOS」で、全ての時間を意味する。代表の酒井優太さんはIT出身で海外駐在も経験。世界に向けて日本文化の発信をと、伝統産業の日本酒を選び、2018年にRiceWineを創業した。
2021.8.1
丹沢山と大山の麓にある黄金井酒造は、初代が水の良さにほれ込み、1818年に創業。「神奈川では珍しい軟水で、酒造りに好適」と醸造長の飯塚栄治さん。2021年の全国新酒鑑評会で神奈川県唯一、金賞を受賞した。
2021.7.25
日本海を望む山口県阿武町木与地区の棚田で育つ山田錦で酒造りするのが阿武の鶴酒造だ。創業は1897年、奈古港まで100mという海の近くに蔵は立つ。祖先は交易船を持ち、酒蔵も経営。後に酒蔵を専業にしたが売り上げが減少し、1983年に酒造りをやめた…
2021.7.18
箱根山を真正面に望む足柄平野の東端、酒匂川左岸に立つ井上酒造。代表銘柄は「箱根山」だが、7代目の井上寛さんが力を注ぐのは、地元の米と電力を活用した地域で完結する酒造りだ。農家で太陽光発電所も営む小山田大和さんから、米価の安さや耕作…
2021.7.11
大塚酒造の6代目で杜氏の大塚清一郎さんは剣道5段の腕前で、竹刀を櫂棒に持ち替え、純米酒造りに精魂を込める。妻の亜希子さんは剣道3段、高校国体の試合で亜希子さんが一目ぼれし、結婚に至る。酒造りは夫婦と清一郎さんの両親だけという家内制手…
2021.7.4
2021年3月、山口県萩市と阿武町の6蔵が、国税庁から産地をブランド化する地理的表示(GI)「萩」に指定された。その1蔵が八千代酒造で、5代目の蒲久美子さんが杜氏を担う。蔵が立つ旧むつみ村は、山と田んぼに囲まれた全戸数700世帯弱の小さな集落…
2021.6.27
香り高く甘くフルーティな酒「東洋美人」を極めたのは、澄川酒造場4代目で杜氏の澄川宜史さん。人気蔵だが昔は負け組で、酒が売れず、父親は早朝から深夜まで営業や配達に回った。宜史さんは東京農業大学醸造学科に在学中、「十四代」高木酒造で研…
2021.6.20
田の中の酒蔵で、田中が造る65%精米の酒だから「田中六五」と至って明快。地元糸島産山田錦で純米酒のみを醸すのが白糸酒造8代目で杜氏の田中克典さん。目指すのは糸島の地の利を生かす酒造り。
2021.6.13
1980年代、酒造業界は価格競争に明け暮れた。利守酒造4代目の利守忠義さんは、品質本位の別路線を模索中、1軒の農家が栽培する背の高い米と出合い感激した。酒造特性に優れると昔の文献にあった雄町だったのだ。当時、岡山県は多収量の朝日が奨励さ…
2021.6.6
2020年11月、150年で途絶えた酒蔵の跡地に、新しい酒蔵が完成し、新酒「天美the first」が初出荷され即刻完売した。蔵元は太陽光発電や半導体メーカーの長州産業で、酒蔵経営は初となる。杜氏は3蔵で経験を積んだ藤岡美樹さんが務め、わずかにガス…
2021.5.30
地域の土と水と微生物を生かし、個性を表現する産土の酒造りを提唱する花の香酒造6代目蔵元杜氏の神田清隆さん。町の風景を自然豊かに、未来へつなぐ構想を掲げる。蔵が立つ和水町、菊池川流域は古代の阿蘇山大噴火の火砕流が凝固した台地で、稲作2…
2021.5.23
日本酒らしからぬ銘柄「タクシードライバー」の醸造元の喜久盛酒造は、岩手県北上市唯一の酒蔵だ。
2021.5.16
戦後、荒廃した広島県福山市の街に市民が植えたバラはやがて市の花になり、今や100万本が咲き誇る復興のシンボルに。そのバラの花から採った酵母で醸した日本酒「ローズマインド」を手掛けたのは市内唯一の酒蔵、天寶一だ。
2021.5.9
島根県邑南町は総面積の8割が森林で、渓谷ありスキー場あり、河川には特別天然記念物であるオオサンショウウオが生息し、田んぼが広がる里山だ。
2021.5.2
2006年、突然、福光酒造の3代目が病に倒れ、休蔵に。先が見えない不安から、蔵元の妻は相談なく酒類製造免許を返上。後で知った寛泰さんは国税庁に返上の取り消しを掛け合うが無理と分かり号泣した。だが、酒類総合研究所の当時の所長から、「北広…
2021.4.25
縁結びで有名な出雲大社のお膝元に立つ富士酒造。「神話時代から栄える出雲は、日本海、斐伊川、穴道湖、中国山地に囲まれ、自然豊かな食材の宝庫です」と蔵元杜氏の今岡稔晶(としあき)さん。日本酒のブレンダーだった曽祖父が、廃業した酒蔵を買…
2021.4.18
新潟の淡麗辛口を代表する酒「久保田」は、1985年に発売されたロングセラー商品。誕生の背景には、当時の清酒業界への危機感があった。
2021.4.11
日本最大の山岳自然公園、2000m級の山々が連なる大雪山国立公園。その北側の麓にある上川町は平均高度1000m、石狩川最上流の人口3398人の町。ここに誕生した酒蔵が奇跡を起こす。
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