
酒井真弓
食パン「超熟」の敷島製パン、「日報って書く意味ある?」がDXで一変した理由
創業103年、「超熟のPasco」でおなじみ敷島製パンの営業部が変わろうとしている。きっかけはコロナ禍だ。小売店との対面打ち合わせは制限され、店頭での試食販売もできなくなった。今までとは違うやり方で、各店舗へのきめ細やかなフォローを継続していく必要があった。敷島製パンは、営業業務の見直しを図る「営業DX推進部」を立ち上げた。デジタルで営業をどうアップデートしているのか。同部の男成祐香さんに聞いた。

ダイハツの社内コミュニティ「技術研究会」が70年超も続く理由、魅力高める“2つの仕掛け”
DXにおいて、新しい技術の普及やデジタル人材の育成を進めるために有効なのが「コミュニティ」の運営と言われる。コミュニティによって目的や環境が異なれば、運営方法もさまざま。それでも、うまく回っているコミュニティから、そのノウハウを学ぶのは成功への近道になる。今回は、300人以上のメンバーが参加するアクセンチュアの社内コミュニティ「カスケード式トレーニング」を紹介する。

DXにおいて、新しい技術の普及やデジタル人材の育成を進めるために有効なのが「コミュニティ」の運営と言われる。コミュニティによって目的や環境が異なれば、運営方法もさまざま。それでも、うまく回っているコミュニティから、そのノウハウを学ぶのは成功への近道になる。今回は、300人以上のメンバーが参加するアクセンチュアの社内コミュニティ「カスケード式トレーニング」を紹介する。

ChatGPTを業務に活用しようという企業が増えている。ライオンは5月22日に、グループの国内従業員約5000人に向けて、ChatGPTを利用した自社開発のAIチャットシステムを公開した。企画資料の作成サポートや、専門用語を理解しやすい一般的な言葉に翻訳することで社内外コミュニケーションを円滑にするなど、さまざまなシーンで業務効率化を図るという。企業でChatGPTをフル活用するには何が必要なのか? プロジェクトメンバーに聞いた。

数十年前に作った基幹システムがずっと現役、という企業は少なくない。ライオンも、40~20年前に作った複数のシステムを組み合わせた基幹システムを、あちこちカスタマイズしながら使い続けてきた企業だった。しかし「このままではまずい」と2018年に基幹システム刷新プロジェクトがスタート。「100%成功が至上命令」というプレッシャーの中、4年がかりでようやく完了したという。

お笑いコンビ・マヂカルラブリーの野田クリスタルさんは、テレビやお笑いライブで活躍するかたわら、独学でプログラミングを習得し「野田ゲー」と呼ばれる数々のゲームを手掛けている。そんな野田さんが、学生エンジニアのキャリアを支援するサポーターズが開催したテックカンファレンス「技育祭2023春」に登壇した。学生たちからの質問に答えたのだが、むしろ社会人経験を積んだ今だからこそ心に染みる回答の連続だった。学生だけでなく、大人の読者にも届けたい……ということで、野田さんのトークを大人向けにレポートする。

1都3県で展開するスーパーマーケットの「オーケー」は、一般の販売品を安く販売しているだけでなく、店内のベーカリーで焼き上げるパンやピザも人気が高い。そんなオーケーでは今、AIのユニークな活用法に取り組んでいる。それは「ピザの焼き色を判定するAI」。なぜ経営ではなく、現場のためのAIシステムを開発しているのだろうか。また、AIに「いい焼き色」を理解させるために、2000枚のピザの画像を地道に教えた。当初1000枚の画像を学習させたところ、ある理由で精度が低かったというのだ。その理由とは……。

2021年、日本郵政グループのDXを推進するために作られた会社が「JPデジタル」だ。全国2万4000の郵便局、40万人以上の従業員という巨大な日本郵政グループのデジタル化というミッションを背負ったJPデジタルは、社員約30人と極めて小規模な組織からスタートした。そんなJPデジタルが結果を出すためには、専門性の高い人材・チームが必要だ。スペシャリストを育成し、ジョブ型雇用を伝統的な日本企業に合った形で取り入れるにはどうしたらいいのか。JPデジタルCEOの飯田恭久さんに話を聞いた。

福岡の菓子メーカーで、駅や空港、高速道路SAなどのレストラン経営を手掛ける風月フーズは1949(昭和24)年創業、創業74年という老舗だ。2020年に社長が交代したのをきっかけに、社内システムをGoogle Workspaceでフルクラウド化した。さらに同社では業務効率化のため、業務アプリのノーコード開発に着手。社長はITに詳しいわけではないが、平均年齢50歳のチームに参加、自身も率先してアプリ開発に取り組んでいるという。

メガネ型のウェアラブルデバイス、「スマートグラス」。メガネ型のモニターを現実の風景に重ねてパソコンの画面を見たり、マイクやカメラ機能が使えたり、通信機能でネットにつないだり……と用途はさまざまだが、「ちょっと未来っぽい」「まだまだこれから」というイメージも強く、実際の業務に取り入れている企業は少ないのでないだろうか。フジテックでは、2022年からエレベーターやエスカレーターの点検などのフィールド業務にスマートグラスを導入している。導入したのは社内の情報システム部門だ。

ワークマンはなぜ業績好調なのか。前回記事、『ワークマン「Excel経営」が超進化!次のデータ分析ツールに選んだのは?』では、好調の背景に、プログラミング言語「Python」の習得を始めとした社内教育の充実、新たに導入したBI(ビジネスインテリジェンス)ツール「Amazon QuickSight」の活用があることを紹介した。今回は、「#ワークマン女子」「ワークマンシューズ」などここ数年の客層拡大戦略の裏側と、アンバサダーマーケティングについて聞いた。

「人手不足で困っている」という企業は日本中にあふれている。その一方で「働きたいのに働けない」「短時間なら、在宅なら働けるのに」という人たちもたくさんいるのが現実だ。今回紹介する「2hours」は、その名の通り「1日2時間から働ける」という働き方を実現している。制限や立場を超えて、真に多様性がある働き方はどうやったら可能になるのか? そのポイントは大きく二つあった。

業績好調なワークマンは、Excelを使ったデータ経営を徹底していることで知られる。しかし社内にExcelを使ったデータ分析が完全に浸透した結果、すでに「Excelでは足りない」と次のステップに踏み出している。限界までExcelを使い倒した次に、ワークマンが選んだツールとは?

読者の方から、新規事業開発について「うちの会社がヤバいんです」というお悩みをいただいた。新しい事業の開発に失敗する企業もあれば、成功する企業もある。失敗する/成功する企業それぞれの特徴を知れば、成功に生かせるのではないだろうか。これまでの取材を思い出しながら、失敗の法則について考えてみた。

業務に使用するソフトウエアなどを開発するのに、外部の企業に外注するのではなく、社内での内製化に取り組む企業が増えている。先日行われたGoogleのクラウド開発者向けイベント「Google Cloud Next '22」で、3社に実情を聞いた。

トレンドマイクロの調査によれば、DX推進担当者のうち35.2%がサイバーセキュリティインシデントを経験し、9割以上がDX推進におけるサイバーセキュリティ対策に懸念があるという。さらに、自社にサイバーセキュリティを踏まえてDX推進ができる人材がいると回答したのは14.3%となった。DXに乗り出したばかりの企業に潜むリスクとは? そして、社内のセキュリティ体制を強化する方法とは? 某大手銀行グループでインシデント対応や人材育成に従事し、現在、サイバーセキュリティの人材育成に取り組む宮内雄太さんに聞いた。

DXに取り組んでいるエンジニアは、血の通った人間だ。だからこそ人材採用が重要だが、優秀なエンジニアは引く手あまたで、中途エンジニアの採用は年々厳しくなっている。そんな中、三菱UFJ銀行、日揮、ファーストリテイリングをはじめ、DXに力を入れる非IT企業の間で、新卒エンジニア採用がじわじわと活発化している。非IT企業が新卒エンジニアを振り向かせるにはどうしたら良いのだろうか。『ゼロからわかる新卒エンジニア採用マニュアル』の著者で、約7万人に及ぶエンジニア学生の就職活動を支援してきたサポーターズ CEO 楓博光さんに、採用広報から用意すべき年収額まで、ざっくばらんに聞いた。

2020年12月、東北大学病院は新型コロナウイルス感染症の第3波と戦いながら、ホテルなどの宿泊療養施設で使用するレントゲン・採血・心電図などの検査連携システムを開発していた。さらに紙での患者管理を電子化し、大幅な業務効率化を果たした。特筆すべきは、極限状態でこれらを内製、つまり自分たちの手で実装したことだ。過酷な医療現場で医師とIT責任者が二人三脚で挑んだ、命を守るDX。その裏側を聞いた。

DXを進める切り札として、クラウド活用を推進する専門チーム「CCoE(Cloud Center of Excellence)」を設置する企業が増えている。国内でも比較的長い歴史を持つ富士フイルムビジネスイノベーションのCCoEは、IT部門ではなくユーザー部門に設置されている。その意図とは?

コロナ禍の2年半で、ZoomやTeamsなどのテレビ会議システムを使ったり、スマートフォンのテレビ電話を使ったりする機会が激増した。言い換えれば距離の制約を越えて「バーチャルで会う」ことを経験した人が世界中で激増したわけだが、便利さを実感する半面「リアルに会うのとは違う」と思うのもまた事実。今回インタビューした阪井祐介さんは、あたかも同じ空間にいるような自然なコミュニケーションを可能にする「窓」の開発者だ。阪井さんが窓を「どこでもドアのようなもの」と表現する理由とは。
