今枝翔太郎
#59
販売価格改善が急務となっている日本の鉄鋼業界。鉄鋼大手のJFEスチールも、2022年は値上げを進めてきた。23年はさらなる値上げに踏み切るのだろうか。本稿では、JFEスチールの北野嘉久社長に23年の価格戦略を聞いた。併せて、日本鉄鋼連盟会長も務める北野氏に、業界全体の課題となっている「グリーン鋼材」の普及についても語ってもらった。

#54
グローバルに拠点を有する建設機械大手のコマツは、地域間で製品・部品を相互供給する「クロスソーシング体制」を強みとしてきた。ところが、米中対立など国・地域間の分断が進んでおり、この体制維持が困難になることが懸念される。コマツの小川啓之社長を直撃し、2023年の見通しやクロスソーシングのあり方を聞いた。

#5
日野自動車は、二度と不正を起こさないための組織改革や、EV(電気自動車)トラックの普及など、さまざまな“看板”を掲げている。ところが、トラックメーカーと販売店の間では、温度差が広がっているという。EVトラック販売を巡って販売店との間に溝が生まれる状況は、競合トラックメーカーも同様だ。販売店や物流会社の声を紹介しながら、トラックの製造と販売が歩み寄るための“処方箋”を提示する。

#4
日野自動車では、不正の責任を取る形で生え抜きの役員が辞任したが、トヨタ自動車出身の小木曽聡社長はその座にとどまった。この処分について、「トヨタが引き続き日野の面倒を見るという意思表示」との声が上がる一方、「今後トヨタの撤退もあり得るのでは」との臆測も飛び交う。日野はこれからどのような運命をたどるのだろうか。トヨタとの関係性に焦点を当てることで、日野の再建シナリオを大胆に予測する。

#3
日野自動車は、2023年3月期上半期決算で辛うじて黒字を確保した。しかし日野は、二つの巨大な「爆弾」を抱えており、極めて危険な状態にある。このうち一方に火が付けば、もう一つも連鎖爆発し、経営危機に陥りかねないのだ。日野にのしかかる巨大なリスクの実態を明らかにする。

#2
普通トラックのシェアで首位を走っていた日野自動車だが、不正に伴う出荷停止で顧客離れは避けられない。出荷が再開されたとしても、首位陥落は確実な情勢だ。もっとも、トラック業界関係者によれば、「2位のいすゞ自動車との首位逆転は“無風”のうちに進む」という。この言葉の真意とは。異常な首位交代劇の真相に迫る。

#1
今年に入り、日野自動車で不正が次々と発覚、出荷停止の車種が続出した。これについて、親会社のトヨタ自動車は、自らが「被害者」であるかのような主張を続けているが、日野の社員は「不正の一因はトヨタにある」と憤る。トヨタが日野を完全子会社化してから20年余り。両社の歴史と人事をひもときながら、不正の元凶に迫る。

予告
日野自動車「不正ドミノ」で始まる王者陥落、トラック業界の大異変を徹底解明
EV(電気自動車)化の動向や、海外メーカーの日本上陸に注目が集まるトラック業界。ここにきて、業界の雄であった日野自動車で次々と不正が発覚、出荷停止の車種が続出した。親会社のトヨタ自動車は日野に救いの手を差し伸べるのか。日野に代わる業界の覇者は現れるのか。凋落の兆しが見える日野の再建シナリオを大胆に予測するとともに、トラック業界の異変を徹底解明する。

番外編
営業再開後も新規契約が伸び悩む日本郵政グループのかんぽ生命保険。苦境を打開するために、かんぽ生命が講じた策は“禁じ手”だった。社員が自腹で保険を契約する「自爆」を奨励していたのだ。ダイヤモンド編集部は、自爆促進ともいえるキャンペーン資料を独自に入手。このキャンペーンの内実を明らかにするとともに、契約獲得のために社員にプレッシャーをかけ、かつての手法に回帰していく日本郵政の内情に迫る。

#10
農協と日本郵政は、共に男性優位の組織であり、職員や利用者から“昭和丸出し”との声が上がる。そうした中、「どちらが時代の波に乗れているのか」をあえて判定するならば、勝者は農協か郵便局か?女性管理職比率や稼ぎ方、さらには横領の被害金額などで、二つのレガシー組織を徹底比較する。

#9
男尊女卑の悪弊が残る農協と郵便局――。職員らに取材すると、セクハラが今も各地で起きていることが明らかになった。恐ろしいのは、幹部の不祥事を隠蔽しようとすることだ。告発者を探し出して“村八分”にする組織風土は、農協と郵便局で驚くほどよく似ている。腐敗の本質を追った。

#7
愛知県など中部エリアのトップに君臨する名古屋大学。その名大は2022年入試において、旧帝大の中で最も志願者を減らしてしまった。さらに名大では、就職事情にも異変が起きているという。一方、中部エリアの医学部受験では“序列劇変”ともいえる動きが起きている。今、三大都市圏の一角、中部エリアの大学で何が起きているのか。「異変」の実態を探った。

#4
2021年入試から始まった「総合型選抜入試」(旧AO入試)。個々の大学が「求める学生像」に合った受験生を選抜する、高校の校長の推薦不要の入試方式だ。国立大学の7割超、私立大学の9割近くで導入され、一般選抜などと並ぶ大学入試の新たな柱になっている。偏差値という目安がない総合型選抜の志望校選びや合格を勝ち取るにはどうしたらよいのか?その戦略とノウハウをプロが伝授する。

自動車メーカー・部材会社の上場企業を対象に、年収が高い会社ランキングを作成した。年収600万円以上の会社が25社あり、東京都・愛知県・静岡県に本社を置く会社が7割以上となった。

自動車メーカー・部材会社の上場企業を対象に、年収が高い会社ランキングを作成した。年収600万円以上の会社が25社あり、東京都・愛知県・静岡県に本社を置く会社が7割以上となった。

#14
20世紀最大の地政学的悲劇――ロシアのプーチン大統領がそう振り返るのが、ソ連の崩壊である。かつては米国と世界を二分した「超大国」ソ連は、結局何年持ったのか?ググりたくなる気持ちを抑えて、歴史を振り返りながら数えてみよう。

#13
ウクライナへの軍事侵攻を受けて、にわかに注目されている歴史上の戦争がある。19世紀最大の戦争ともいわれる、ロシアが仕掛けた「あの戦争」だ。大人だからこそ覚えておきたい歴史の基本のキ。

#12
世界の歴史が本格的につながり始めるのは15世紀以降のことである。この当時、スペインがイスラーム勢力を駆逐したまさにその年に、世界で「発見」されたのは何だっけ?

#11
愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ――とはいうものの、「過去から何も学んでないんじゃないか」と思うほど、世界史では酷似した悲劇が繰り返されてきた。だが、わが国日本には、人間が集団として歴史から学べた稀有な例があるという。古代史の大家による指摘だ。

#10
ユーラシアの蒼き狼――モンゴル帝国のチンギス・ハンは、歴史上の人物の中でもとりわけファンが多い。そんな「チンギス推し」の人に、あえて尋ねたい。「モンゴル帝国の最盛期の皇帝って、誰だったか覚えてる?」。3分でサクッと読んで学び直す、世界史の基本のキ。
