しかし、なんらかの原因で、静脈やリンパ管がスムーズに流れずに、戻ってくるべき水分が溜まってしまっていることがある。それがむくみという状態だ。

 要因は疲労、栄養の過不足、運動不足、腎臓・心臓・肝臓などの障害、ホルモン代謝、月経や妊娠、薬やサプリメントの影響など、西洋医学的には多岐にわたる。

 一方、漢方医学ではシンプルに、「血のめぐり」の悪さ=於血(おけつ)に分類される(事前の検査・診断で、重篤な疾病は鑑別しておくことが必要)。

 於血になると、血液の循環による働きが十分に果たされなくなるため、むくみ以外にも、肌荒れ、肩こり、腰痛、関節痛、頭痛、頭重感、疲れ、だるさ、めまい、耳鳴り、不眠、イライラ、月経痛、月経不順、腹痛、食欲不振、不安感、抑うつ感、動悸、焦燥感、更年期障害、便秘、下痢、痔、静脈瘤等々、ありとあらゆる不調があらわれる。

 よって「むくみ」という一つの症状だけを治そうとしても効果は薄い。なんとかしたいなら、漢方薬や、生活習慣の見直しによる「体質改善」しかないということになるが、ほとんどの場合、不調と付き合って生きて行くのが現実。むくみは女の宿命なのだ。

夫婦間の思いやりを示すいいチャンス
妻もカミングアウトすべき

「そんなにつらいとは知りませんでした。言ってくれればいいのに」

 有希子さんが必死にむくみに耐えてきたことを知人を通じて知ると、克彦さんはそう語った。

 言わなくても、わかりそうなものだが、優しさあふれる克彦さんでも、結局、つらさの度合いが理解できないゆえに、あまり関心が持てないのかもしれない―――仕方がないことだと思う。

 よって、むくみに悩む妻たちは、遠慮なく、こうカミングアウトするべきだ。

「むくみがすごくつらいから、助けて」と。

 そして夫たちは、「え~、そんなにつらいの? 本当に?」などと疑わず、つらさを想像し、助けてあげてほしい。

 例えば、冒頭のようなケースでは、

(1)2次会は靴が脱げる店を選んでもらうよう働きかけ、帰りはタクシーにする、と決める
(2)前日は遠方の式に出席するのと同じように、会場近くのホテルに泊まり、披露宴の後はすぐ、ドレスも靴も楽なモノに履き替える
(3)兄夫婦にもむくみの件を伝え、服も靴も楽なものを持参して、全員ラフな雰囲気で寛げるようにする

 といった対策が考えられる。帰宅後は、足ツボマッサージでもしてあげれば、なおいいだろう。

 こんな単純な悩みに対してこそ存分に、夫婦間の思いやりは発揮されるべきものなのではないだろうか。